公開日:
最終更新日:

日本から本気で世界に挑む。Sansanの挑戦とは

「Sansan=名刺の会社」ではない?

―2007年に創業以来、クラウド名刺管理サービス事業を展開してきたSansan。上場前には、日本発のユニコーン企業としても話題になりました。一方で「Sansan=名刺」のイメージが強くあるものの、その先の事業の広がりが想像しにくいのが正直なところなのですが、そもそもSansanは何をしようとしている会社なんでしょうか?

田中:普段学生の方々と接していても「Sansan、知っています!名刺の会社ですよね?」と返答いただく機会が本当に多いです。

おっしゃっていただいた通り「Sansan=名刺」というイメージが定着していると思います。ただ、私たちは、単なる名刺管理サービスを提供している訳ではありません。「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションのもと、名刺、つまり「出会い」とテクノロジーを掛け合わせることで、ビジネスシーンでの出会いや繋がりのあり方を変え、より良い世界をつくっていきたいと考えている会社です。

というのも、ビジネスに限らず全てのことの始まりやきっかけには「人と人の出会いや繋がり」が介在していることって多いんじゃないかと思います。例えば ※GAFA といわれるような企業であっても、ことの発端としてラリーとセルゲイが出会ってなければGoogleは今存在していないし、スティーブ・ジョブズとウォズニアックが出会ってなければAppleは存在していないし、といった感覚ですね。

実は彼らは出会うべき人と運良く出会えた数少ない事例で、出会うべき人と出会えなかったが故に始まらなかったビジネスや、起こらなかったイノベーションといった機会損失が数多くあると思っていて、Sansanはそういった機会損失を補完できるプラットフォームを創ることで世の中のビジネスシーンを爆発的に加速させたいと思っています。

※GAFA...アメリカに本拠を置く、Google、Amazon.com、Facebook、Apple Inc、4つの主要IT企業の頭文字を取って総称する呼称を指す。

田中 達也氏 Sansan株式会社 人事部 新卒採用グループ

――出会いを最適化するという壮大なプラットフォーム構想を実現する上で、改めてなぜ「名刺」に着目されたのでしょうか?

田中:先ほどの世界観を実現する上では「名刺」が非常に重要な存在なんです。

ビジネスシーンで人とつながる際には、必ず「名刺交換」をします。名刺を交換することで「その人と出会い、つながった」ということを意味するわけですが、それが紙であるがゆえに有機的にはつながれない。紙のまま所有していることで、せっかくの出会いの価値を最大化できないんです。

「失くしたら終わり、当時のステータスが変更されたら終わり」といった心もとないつながりの中で、今は世界中のビジネスシーンが成立しています。このつながり方や出会いのあり方そのものを変えるべく、名刺交換によって形成されたネットワークをデータに置換することでそのつながりを有機的なものにする。そしてそれらのデータを研究することで新たな出会いをデザインするといったことに私たちは挑戦しています。

―ビジネスパーソンであれば誰もが感じる課題に対して、Sansan独自の角度から価値を提供している、その独自性が今の市場優位性を作り出しているのですね。

挑戦し続けられる環境が自分の成長につながる

―そのSansanに18卒として入社した清沢さん。なぜSansanを選んだのでしょうか?

清沢:社会にとって本質的に価値があるサービスを、熱い想いをもった優秀な人たちと一緒に、世界に向けて展開していける可能性があるとSansanに強く感じられたからですね。

就活を始めた当初はそのような考えをもって、ベンチャーに限らず外資系企業や大手企業を含めて幅広く見ていたのですが、そこで自分がまず大事にしたいと思えたのは「自身の介在価値」でした。

既に巨大なマーケットを開拓している企業に比べると、Sansanはまだまだこれから。名刺管理の領域だけでなく、ビジネスデータを活用した新領域や海外にもマーケットを開拓していくフェーズです。

先ほど田中から話があったような世界を実現するためには、日本に留まらずグローバルマーケットに本気で挑戦していく必要がありますが、今では日系SaaSベンダーでは最大規模と言われるSansanでも、セールスフォースやSlackといった世界的SaaSベンダー企業群には名前すら挙がっていません。

目指す理想と現状のギャップがとてつもなく大きいからこそ自分が介在してコミットする意義が明確にそこにある、ひたすらに挑戦し続けられる環境が結果として自分の成長につながると感じられました。

―確かに「自分自身の介在価値」という観点では急成長ベンチャーは最適な環境ですね。他のベンチャー企業が候補に挙がることはなかったのですか?

清沢:実は新卒から実力主義で成果に向き合える環境という観点で、もう1社ギリギリまで迷った企業がありました。

悩んでいたもう1社はすでに上場しており、新卒で入ると事業責任者コースに数年で成長できるようなキャリアパスがしっかりと定義されていたこと、事業としても顕在化した巨大な市場を戦略的に開拓していく中での今後の成長は当時の私からみても容易に想像できたことなどが迷うポイントでした。

結論としては、ある程度整えられた成長環境を獲得するよりも、キャリアパスや成長の道筋すらも自ら考え抜いて作り出していくことが求められるSansanの環境の方が、より自分にとってチャレンジングだと思えました。

また事業フェーズとしてもこれまで名刺管理事業で築いてきた資産を活かして次々と新たな事業が生まれ、組織としても大きな変化が起きていくような段階を経験できることが自分にとって価値ある機会になると思えたのでSansanに決めました。

清沢 康平氏 Sansan株式会社 Sansan事業部 SMB営業部

―Sansanだからこそ得られる成長機会が明確にあるというのは非常に魅力的ですね。介在価値という観点では、入社後どのような業務に関わられていて、どのように感じられていますか?

清沢:2018年4月に入社してからは、法人向け名刺管理サービスを提供しているSansan事業部のインサイドセールス部門にて、中小企業だけでなくエンタープライズ領域の企業に対しての新規開拓を行なっていました。

その経験を経て現在はSMB営業部という部門で従業員数50名未満の中小企業や外資系企業、また急成長中のスタートアップ等をメインターゲットとして担当しています。個人としての成果最大化はもちろんのこと、チームとして売上がスケールするような仕組みをマネージャと協働して、企画・実行したりもしています。

介在価値という観点では、日々の業務でも常に感じられていますね。そもそも多くの仕事は「できないことをできるようにする」という過程を経りながら成果を積み重ねていくものだと考えています。

既に出来る人がいると、その手法を真似し、実践すれば、一定の成果を上げられると思いますが、Sansanの場合は確立された手法がそれほどありません。まず自分の中で課題を解決するための「問いを立てる」ところから始まります。

例えば、2018年11月に正式に販売が決まった新商材を売っている時に営業部の中でも比較的早くに新規契約を取ることができたことがありました。「こういうトークや提案をしたら、こういう属性のお客様が購入してくださいました」という話をすると、他の営業担当や、担当の役員メンバーだったりが「そういう手法があるんだ」と初めて気づく、といった経験がありました。

社内で過去実績のなかった新しい提案方法や売り方を自ら試し、それを言語化し、共有することで自分の成果だけでなく、事業部に変化や影響をもたらせるという実感を得られた瞬間です。

自分で問いを作り、仮説を立て、それを検証する。そして出た成果を、組織に反映させていく。自分の仕事が会社全体を前に進めているという実感を感じられる環境で仕事ができているのは単純に面白いですし、「誰かから学ぶ」だけではなく「自分で新たな価値を生み出す」という力が身につけられるのも、まさにこのフェーズだからこそ得られる成長、という実感がありますね。

Sansanをビジネスプラットフォームに

ー現状と理想とのギャップが生む介在価値と成長という意味では今後の展望がさらに気になるところですが、これから先、3年〜5年でSansanだからこそ経験できることは何でしょうか?

田中:中期的なビジョンとしては「世界に挑むビジネスプラットフォーム」を掲げています。「名刺管理といえばSansan」と言われていたフェーズを超え「ビジネスプラットフォームといえばSansan」と言われるくらいに、ビジネスシーンでは無くてはならない事業を展開する企業になりたいと思っています。

具体的には、Sansan・Eightという根幹にある事業については引き続きコミットしつつも、より拡張性を持たせることで、自分達にしか提供できない価値を創り上げたいと考えています。

清沢:既存事業の成長性という観点で言うと、我々が扱う「名刺」というビジネスツールは全世界で使われており、誰もが「不便だ」という課題を持っていながらも、解決するソリューションはほとんど提供されていないのが現状です。

少なくとも世界で100億枚は流通すると言われている名刺に関するマーケットはまだまだ開拓の余地があり、これだけ成長余白を多分に持ったマーケットで勝負できる環境はなかなかないんじゃないかと思いますね。

名刺管理事業だけでなく、既存事業で培ったノウハウを生かした新ソリューションに展開する動きも社内で活発に生まれており、非連続な成長を作り出すことに当事者として関われることも面白いと思っています。

ここから3年5年はSansanにとってもグローバルマーケットで本当に通用するのか、勝負のタイミングでもあります。世界に通用するソフトウェアサービスを日本から生み出す部分に一緒に挑戦したいと思える人たちと、新卒採用という1つの機会に出会えることを楽しみにしています!