企業の最終面接(役員面接)について、採用コンサルに取材!
最終面接(役員面接)で面接官を務めるのは、企業の役員・社長という重役。
それ故面接経験の少ない方は、不安や緊張、プレッシャーに襲われているかと思います。
そこで今回は、最終面接の評価視点、聞かれる質問や対策法について採用コンサルを務める坂本さんに伺いました。
坂本さんの話をもとに、この記事では
・「意思確認の場」は本当なのか
・最終面接の合格サインはあるのか
・最終面接と1・2次面接の違い
・志望度などの質問への答え方
についてお伝えします。
最終面接への心構えや準備方法を知り、万全の体制で最終面接に臨みたい就活生必見の内容です。
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合格率は50%…「最終面接(役員面接)は意思確認の場」は嘘
ーよろしくお願いします。
よく就活生の間で「最終面接(役員面接)は内定承諾の意思確認の場」などと言われています。
本当にそうなんですか?
そもそも、最終面接を行う企業の意図を教えてください!
坂本:はっきり言って、多くの企業にとって最終面接(役員面接)は「内定承諾の意思確認の場」ではありません。
なので最終面接(役員面接)まで進めば企業は内定を出してくれる、という認識や常識は大間違い。
最終面接における企業側の意図は、大きく分けて二つです。
最終面接の意図、一点目は、採用候補である就活生のスクリーニング。
つまりこの就活生に内定を出すかそれとも落とすかを最終判断を行うことです。
多くの企業の最終面接で面接官を務めるのは役員や社長といった高役職者。
彼らは長いキャリアの中で豊富なマネジャー経験を積み、多くの社員が成長する姿を見ている。
それ故、面接に臨む就活生の中長期的な成長や「自社にふさわしい人間か、自社に求められる人間か」の最終判断を下す役割を担っています。
さらに、最終面接を担当する面接官は企業においても重役。
つまりそれまでの面接の評価が良くても、最終面接で「自社にそぐわない人材」と判断されれば、内定はもらえません。
なぜなら、人事や現場社員は基本的に社内の最高権限者である役員の意向に意を唱えることは難しいためです。
いわば最終面接は、就活生にとって絶対に失敗できない場。
また多くの会社において最終面接の倍率は約2倍、就活生2人につき1人は落とされる。
なので「最終面接は内定承諾の場だ」そんな甘い認識で最終面接に臨むのは非常に危険です。
ー最終面接は、内定承諾の場ではない。
さらに評価が良くとも面接官が高役職であるが故に、油断してはならないと。
では、最終面接を行う企業の目的、2点目について教えてください。
坂本:最終面接における企業側の意図、2点目は、トップ層の就活生に対する魅力付けです。
つまり、採用候補の中でもトップに当たる就活生の自社に対する志望度を上げ、入社する確率を高めることが目的です。
最終面接に進む就活生の中には、人事部が「必ず自社で採用したい優秀な人材」との高い評価を得ている就活生がいる。
そうしたトップ層の学生は、他の企業からも高い評価を得て、多くの内定を獲得する可能性が高い。
つまり、企業間で取り合いになります。
そこで、企業のトップを務め、最終面接の面接官でもある役員や社長から、経営理念や事業のビジョン等トップ学生が魅力に感じるような話をする。
いわば企業のプレゼンを最終面接内で行い、自社への志望度上げる狙いがあるのです。
また「ウチに必ず来てほしい」という直接的なアピールを行うこともあります。
この魅力付けを目的とする場合は、就活生に対して自己PRや志望動機を問うと質問主体ではなく、面接官からの話中心で最終面接が進行します。
ー最終面接は、普通に選考を行うケースと就活生に対する魅力付けの2パターンあるわけですね。
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企業の最終面接における内定/合格フラグとは?
坂本:企業が最終面接の目的を「トップ学生に対する魅力付け」に設定していた場合、内定フラグといえる兆候を面接中に垣間見ることができます。
最終面接の合格フラグ① 面接官の話が面接の大半を占める
坂本:最終面接なのに、質問が少なく面接官からの話が面接時間の大半を占めていた場合は内定フラグと考えてよいでしょう。
このケースの場合は、就活生を採用するという前提で面接官は最終面接に臨んでいます。
先にも述べました通り、今後の会社の経営戦略や目指す世界観、新規事業の構想等など、経営層として自分が描くビジョンを最終面接内でトップ就活生に伝え、自社への志望度向上を狙います。
最終面接で質問が来ると構えていたのに、一方的に面接官の話をされ企業の魅力向上を狙った言動だった場合、内定/合格フラグと言えるかもしれません。
最終面接合格フラグ② 就活生の志向性と自社が合致するとアピールした場合
坂本:合格フラグの二つ目は、あなたが企業に求める要素が自社にあることを面接官がアピールしてきた場合です。
例えば、あなたが「若手でも裁量を持ち仕事ができる環境」といった企業選びの軸を持っていたとします。
そして最終面接の時間内で、面接官が「うちの会社は若手にもどんどん大きな仕事を任せ、主体的に仕事ができる環境です」「自社には失敗を成功の糧として許容する風土がある。
だから挑戦したい若手には積極的にチャンスを与える」といったアピールをしたとする。
このように、就活生が求める要素が自社にはあることを最終面接内でアピールしてきた場合。
あなたは「ぜひとも自社で採用したい人材」と会社側は認識しており、内定をもらえる可能性が高いでしょう。
なぜなら、このケースもトップ層の就活生に対する魅力付けに該当するからです。
またあなたが、「社会人としてやりたい仕事が自社では実現できる」アピールを最終面接内で行なわれた場合も、内定フラグの一つと考えられるでしょう。
ー基本的に「トップ層の採用候補に対する魅力付け」の現れともいえる面接官の言動が、合格フラグであると。
坂本:仰る通りです。
ただ企業側が内定フラグを見せるのは、「トップ層の採用候補に対する魅力付け」を目的に最終面接を実施していた場合のみ。
基本的に、就活生の皆さんが「自分はトップ層の採用候補であるか」を面接の前に確認する術はない。
このトップ層の採用候補は基本的に、起業経験者やビジネス経験をもつ学生、また大きな研究成果を上げてる学生など大きな実績を持つ就活生が大半です。
「トップ層」と企業側が位置付けている就活生は、最終面接に進んだ内定者候補全体の内10~20%程度でしょう。
それ故、最終面接に臨むにあたっては、「自身の能力や志望度を見極められ、採用するか否かが決まる」という前提に立ち、万全の準備対策を行うべきです。
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企業の最終面接と一次・二次面接の見ているポイントの違い
坂本:最終面接にて一般的に問われる質問や逆質問の方法など、具体的な選考対策を述べる前に、まずは最終面接とその他の一次・二次面接との選考基準の違いについて述べます。
基本的に、最終面接に限らず個人面接においては就活生の「能力・資質」「人間性」「自社への志望度」という3つの観点から評価を行います。
この3つの観点自体は、その他の面接と最終面接にも違いはありません。
しかし、最終面接とその他の面接の違いは、3つの観点の内「自社への志望度」に対する比重が大きいこと。
なぜなら最終面接は「内定を出すか出さないか」の最終判断を行う場です。
企業側としては、当然内定を出し採用した結果、自社に入社しないという事態は避けたい。
それ故、「自社に対する志望度、熱意の強さ」が最終面接では重視されます。
ー例えば、能力面が優れていても、他の企業に入社しそうな学生には内定を出しにくいと?
坂本:そうですね。
能力面では秀でているが、自社への志望度が低く入社する可能性が低い学生。
一方で能力面は劣るものの、自社への志望度が高く入社する見込みの高い学生。
最終面接において、この二人の学生がいた場合、後者の方が内定をもらえる可能性が高いです。
もちろん最終面接においても、ガクチカや自己PR、その他の質問で自分の能力・資質や人間性を伝えることが重要です。
しかし、それ以上にその企業への志望度の高さ・熱意を伝えられるかが最終面接において非常に重要なポイントです。
最終面接における「9コの頻出質問」の対策方法と回答例
坂本:先ほど述べたように最終面接における評価視点は、「能力・資質」「人間性」「自社への志望度」の3つです。
なので「能力・資質」を図るための質問、「人間性」を図るための質問、「自社への志望度」を図る質問の例を述べ、それぞれに対する回答例をお伝えします。
ではまず面接官が「自社への志望度」を図るために行う質問例と対策法についてお伝えします。
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企業の最終面接にて対策すべき「自社への志望度」を図る質問と回答例
<質問と回答例①志望動機を教えてください>
坂本:1次・2次面接と同様に志望動機は、最終面接にて問われます。
ですが大筋はそれまでの面接にて聞かれたことと変える必要はないでしょう。
それまでの面接にて、深堀され上手く答えられなかった点や面接官からのフィードバックを含め、論理の流れを補強しておくといった最低限の準備はしましょう。
志望動機の作り方は以下の記事を参考にしてみてくださいね! 企業が聞きたい!面接で回答すべき志望動機のポイントと作り方他社ではなく、なぜうちなのか?
<質問と回答例②他社ではなく、なぜ弊社を志望するのか?>
坂本:コチラも、最終面接にて就活生の志望度の高低を確認する質問です。
この質問に答える際は、他社との比較を踏まえた上で、その企業が魅力的だと回答するのがポイントです。
なぜなら最終面接においても面接官の念頭には、「採用を決めたにも関わらず他社に入社されてしまうのでは?」といった不安があります。
それ故、「○○という観点から、他社と比較した際にその企業が魅力的である」と比較を交えた表現は面接官に納得感や安心感を与えます。
面接官に「他社ではなくなぜ自社なのか?」を問われた時の回答例として
「若手にも裁量を与えてくれる環境、という私の企業選びの軸と最も合致するためです。その理由は二点あります。
1点目は、他社と比べて、従業員数も少なく若手の担う責任や仕事が広いこと。
また2点目としては、OB訪問で若手社員の○○さんが「△△」と仰っており、他社と比較して若手にも裁量を与える風土が強いと考えました。それ故、御社が第一志望です」
このように他社と比較して魅力的であるポイント、そしてその根拠を伝えられれば大丈夫です。
<質問と回答例③他に受けている業界や他社の選考状況を教えて下さい>
坂本:最終面接にてこの質問に答えるポイントは、ばか正直に言うのではなく受けている業界を揃えて伝えること。
例えば、就活生が金融業界からメーカー、インフラなど幅広い業界を受けているとします。
この場合、正直に受けている業界を伝えると、面接官に一貫性がないとみなされ志望度が疑われます。
それ故、金融業界を受けている場合は金融の他社の選考状況のみを伝える。
消費財メーカーを受けている場合は、消費財メーカー他社を受けていることを述べる。
このように、自分が行っている就職活動に一貫性を持たせることが、他社の選考状況を答える上でのポイントです。
<うちの企業は第一志望ですか?内定を出したら就活を終えますか?>
坂本:これはかなり直接的に志望度を測る質問です。
答え方のアプローチとしては二つ。
1つ目のアプローチが「入社します」と言い切ること。
仮に第一志望であろうがなかろうが、「御社が第一志望です。御社からの内定を頂けたら就活を終えるつもりでいます」と笑顔で言い切ってしまうのです。
2つ目としては、他の企業とその企業で迷っていると伝えた上で、その企業を魅力に感じる理由を伝え、採用担当に一定の納得感を持たせるアプローチ。
例文としては、 「御社は第一志望群です。他にも○○社と○○社を受けていますが、御社は~~という理由で最も私の企業選びの軸に当てはまると考えています」
このように、その企業に入社するかどうか迷っている場合でも、企業から内定をもらうためには、「他企業と比較して、御社に強い魅力を感じている」というスタンスを保つことが重要です。
<質問と回答例④当社に入社した際のキャリアプランを教えてください>
坂本:最終面接においては、非常に高い確率でキャリアプランを問われます。
1点目の目的は、キャリアプランの具体性で志望度を測ること。
2点目の目的は、就活生が中長期的に活躍できるかを見極めること。
最終面接で面接官を務める役員は、会社の将来を案じる立場にいます。
それ故、各就活生が中長期的に活躍し、会社に対して利益貢献し続けられるかを重要視します。
キャリアプランを伝える上で、重要なことの1点目は最終的に自社で成し遂げたい目標を伝えること。
2点目は、その目標にたどり着くまでのフローが明確になっていることです。
つまり、企業で働く上で最終的に経験したい仕事や部署をゴールにする。
そしてその部署、仕事を経験するためにどの部署でキャリアを積んで行きたいか、を伝えましょう。
簡単な受け答えの例文をお伝えします。
「御社で私が成し遂げたいのは、多くの人々の生活を変える新しい商品開発です。
商品開発の仕事に就くには、お客様のニーズをつかむこと、そして実際にその商品が作られる過程を知る必要があると思います。
なので入社後は営業と工場の生産管理に従事し、その後商品開発の仕事がしたいです」
このように最終的に経験したい仕事から逆算し、キャリアプランを伝えるべきでしょう。
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企業の最終面接にて対策すべき「人間性」を図る質問と回答例
<質問と回答例⑤周囲からどんな人と言われるか?>
坂本:この質問に回答するポイントは、2つです。
1点目は、企業の求める人物像に近いことをアピールすること。
周囲からの評価を面接官が聞く理由は、他社から見た就活生の評価を踏まえ自社の求める人物像であるかを確かめることです。
そのため、求める人物像に近い評価を周囲から得ていると伝えましょう。
2点目は自己PRで伝えている自身の強みと他者からの評価が一致させることです。
例えば、自分の強みとして「リーダーシップ」を上げていた場合。
面接官に「周囲からどんな人間と言われるか?」と聞かれた際は
「周囲からは、他者と目線を合わせ周囲をまとめる統率力があると言われます」とリーダーシップに近い言い方をしましょう。
このように、自己PRやガクチカで述べている自身の強みと整合性を保って伝えることが重要です。
<質問と回答例⑥自分が○○な人になったきっかけはありますか?>
坂本:この質問は先ほどの「周囲からの評価」に対する根拠を問う質問です。
人柄が育まれた根拠を伺い、周囲から言われる通りの人柄か、確かめる狙いがあります。
回答例として 「リーダーシップを発揮するようになったきっかけは、中学生の時サッカー部でキャプテンを務めた経験です。その際、県大会優勝に向けてチーム全体をまとめ上げチームメイトから感謝されたことで、影響力を発揮し周囲を引っ張る性格になったと思います。」
このように自分の人間性が育まれたきっかけを伝えることで、面接官はあなたの人柄に納得感を持てるでしょう。
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企業の最終面接にて「能力」を図る質問例と回答例
坂本:また、最終面接にて面接官は「中長期視点からの活躍ができるかどうか」という観点で能力面を深ぼる質問を行います。
例えば、この就活生は入社10年後から大きな成果を上げ始める大器晩成型タイプ。
一方でこの就活生は入社3年以内でエース社員として成果を出す早期熟成型タイプ。
能力面を図るため、最終面接で就活生に対して面接官が行うのはガクチカ、自己PRなどの基本的な質問です。
<質問と回答例⑦学生時代頑張ったことを教えてください>
坂本:1次・2次面接同様に、最終面接でも「学生時代頑張ったこと」は問われます。
基本的に、最終面接においてもその他面接と回答方法は同じです。
冒頭に力を入れた活動概要を結論先行で回答する。
そしてその活動の中でぶつかった課題とその原因について。
そしてどんな施策や取り組みを行い、結果どういった成果を上げたのか。
最終面接においても、こういった基本的なフレームワークに沿い回答しましょう。
「学生時代頑張ったこと」に対して不安がある方は以下の記事を参考にしてみてください! 採用のプロが語るガクチカ講座、「学生時代力を入れたこと」の評価視点と答え方
<最終面接における学生時代頑張ったことの深堀パターン>
坂本:最終面接では、各就活生が持つ能力を導き出すために、ガクチカに対してWhyとHowで深堀を行います。
この深堀に対して回答できるかどうかが最終面接において内定の是非を決めます。
基本的に面接官が行う深堀りパターンは以下の3点。
深堀のパターン、1つ目はまずは「なぜその活動に力を入れようと思ったのか?」
この深堀に答える際に重要なのは、明確な目的意識を持っていたことをアピールすること。
例えば「○○という活動を通じて、○○というスキルを習得したかった。」と述べることで仕事に対して目的意識を持ち取り組めるとアピールしましょう。
深織パターンの2つ目は「その活動の結果として挙げた成果に対して、どれほどあなたは寄与しましたか?」というものです。
これは、自分自身の行動がどれほど成果に繋がったか客観的に分析ができているかを図る質問です。
例えば、学生時代あなたがテニスサークルのリーダーとして、大会を優勝に導いたとします。
ですが、おそらく他のチームメンバーの支えがなければ大会で優勝できないはずです。
学生時代頑張ったことを通じ、自分が挙げた成果について「周囲の協力」を踏まえて客観的に振り返る。
そして、反省点などをあらかじめまとめておきましょう。
深堀パターン3つ目は「その取り組みの中で、苦労したことは何ですか?」という質問です。
ガクチカの内容を実行するにあたり、どんな壁にぶつかったのかを問う質問になります。
このガクチカへの深堀を通じて、挫折に対して向き合う姿勢があるのか、困難を切り抜け成果を出す行動力が備わっているかを図ります。
この質問に回答する際のポイントは、2点です。
1つ目は、困難をどういうモチベーションで乗り切ったのかという、あなたの人間性を伝えること。
2つ目は、困難を乗り越えるための取り組みを具体的に伝えることです。
こうした深堀に対してどう回答するか、想定問答を作成し最終面接に臨むようにしましょう。
<質問と回答例⑧自己PR>
坂本:自己PRも最終面接において頻繁に問われる質問です。
最終面接における自己PRの注意点は2つ。
1点目は、基本的にはなりますが自分の強みが何なのかを結論ベースで伝えた上で、その強みを発揮したエピソードを述べること。
2点目は、企業が求める人物像に即して、自己PRを伝えること。
例えば、企業が採用したい人物像が「主体性を持ち、自らの頭で考え抜ける人」だとすれば、それに即して「自ら課題を発見し、周囲からの協力を募って解決した」エピソードを自己PRで伝える。
そういった工夫が必要とされます。
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企業の最終面接前にやっておくべき5つのTodo
ーでは具体的に最終面接に向けてどんな対策をすべきか。
具体的にどんな対策をすべきかを教えて頂いてもいいですか?
坂本:最終面接における評価視点は、「能力・資質」「人間性」「自社への志望度」の3つ。
中でも一般的には「自社への志望度」の比重は大きいとお話したとおりですよね。
具体的に対策としてやるべきことをあげるなら、今からお伝えする優先度に沿って以下のTodoをすべきです。
<志望動機のブラッシュアップ>
坂本:まず一番優先度が高いのは、志望動機のブラッシュアップです。
最終面接では自社への志望度が図られるため、志望動機は聞かれるでしょう。
具体的にやるべきことは、今までの面接の中で志望動機について深堀され、上手く伝えられなかった論点を固めること。
また、最終面接当日まで余裕がある場合は、OB訪問を通じて志望動機の論理性や伝え方をチェックしてもらうことも一つの手です。
OB訪問を繰り返し行い、その経験を志望理由などと結び付けられれば、志望度の高さもアピールできます。
<キャリアプランを具体的に伝わりやすく描く>
坂本:次に最終面接前日に対策するべきは、キャリアプランです。
先ほど述べた志望動機はなぜ入社したいのかという「現在のあなた」についての質問です。
一方で、キャリアプランは入社後どんな仕事をしたいのか、という「あなたの未来象」を図る質問です。
つまり、企業側はキャリアプランを聞くことで「自社への入社を仮定して、どれほど就活生が自分の描く理想像と企業を重ね、考えているのか」を判断します。
このキャリアプランに対し、明確に答えられるかが、志望度を伝える上で非常にキーとなります。
キャリアプランを磨く上で2つの観点があります。
観点の1点目は、入社後の最終的な目標を明確に設定すること。
つまり、入社後何年以内に、どこの部署で働き、何を成し遂げたいのか、が明確に決まっている状態をめざしましょう。
具体的には、入社20年後には営業部長として、新規開拓を成し遂げたい、入社15年後までには、マーケティングを行う部署で、自社商品の新規ブランド立ち上げに携わりたいなど。
その企業で、いつまでに(When)どこで(where)何(What)を成し遂げたいのか、どんな働き方をしたいか、を最終面接までに考え抜きましょう。
観点の2つ目は、入社後の最終的な目標に向かって、どの部署でどのような仕事をしたいかを明確にすること。
言い換えれば、入社後の最終的なゴールから逆算して、どこの部署でキャリアを積むべきかを考え抜くこと。
例えば、最終的に新商品の立案やブランド作りに携わりたいのならば、入社後は営業職として顧客のニーズを理解し最適な商品を届ける経験を積むといったように、入社後キャリアの道筋を明確にしておくことですね。
<直接的に志望度を聞く質問への準備>
坂本:志望度を測るためか、最終面接では直接的に志望度を図る質問をする傾向にあります。
こうした質問に答えきれるよう心構えを持ちましょう。
例えば、「弊社は第一志望ですか?」や「内定が出たら弊社に入社しますか?」といった質問ですね。
こういった質問が来ることに備え、志望度が疑われないようあらかじめ準備しておきましょう。
アプローチは先ほど述べた2つです。
入社を前提として回答すること、他企業と迷っている場合は企業に魅力を感じていることを述べること。
この質問に応えきれるよう、予め回答のイメージを固めておきましょう。
<学生時代頑張ったこと/自己PRの深堀を徹底的に想定する>
坂本:次にやるべきことは、学生時代頑張ったこと/自己PRへの深掘り対策です。
最終面接で面接官を務める企業のトップ層は、志望度の他に就活生の資質を見極めようとします。
そのため、自己PR/学生時代頑張ったことに対して、WhyやHowの観点から深堀をする傾向が強いです。
具体的な深堀質問としては、
・「なぜそれに力を入れようと思ったの?」
・「過去の経験の中でどんな壁があって、どう乗り越えましたか?
・「学生時代に成果を上げた経験で、どういう役割でしたか?」
・「成果に対して、どれほど寄与しましたか?」
・「どうしてその強みが見についたのですか?」
・「その経験の中で何を学びましたか?」
などが挙げられます。自己PR/ガクチカへの深堀に対してどう答えるかを想定しておきましょう。
<企業のビジョンや理念への理解を深める>
坂本:最終面接で面接官を務める経営層は、会社の将来を描く役割を務めています。
そのため、企業理念やビジョン、またそれに基づいた事業戦略への理解は深める必要があります。
またビジョンや事業戦略への知識を深め、逆質問に生かしましょう。
ー具体的な逆質問の方法については次の段落で説明聞いてきます。
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企業の最終面接で評価を上げる!逆質問の例と考え方
坂本:今までは面接官からの質問例についてお話しました。
ここからは、最終面接における「逆質問」の仕方について説明します。
最終面接は採用を判断する場なので、企業への「志望度の高さ」をアピールする目的で逆質問を行いましょう。
その上で、最終面接用の逆質問を考えるには2つの観点があります。
1つ目の観点は、会社のビジョンや事業戦略の方向性など、会社の未来について聞く。
2つ目の観点は、仕事に対する姿勢や考え方を吸収するために、面接官の今までのキャリアや経歴を掘り下げること。
なぜなら、最終面接で面接官を務める役員・社長といった高役職者たちは、10年後・20年後を見据え事業拡大戦略を練る仕事をしている。
それ故、会社の将来像について聞くには最も最適です。
また、基本的に役員や社長たちは長いキャリアの中で高い実績を上げたからこそ、今のポジションにいます。
なので就活生の皆さんが最もロールモデルにすべき社会人である。
それ故、最終面接は仕事に対する考え方やスタンス等、学びを得るチャンスとも言えます。
それでは、最終面接でするべき逆質問の例をお伝えします。
企業の最終面接にて好印象を与える逆質問例
「業界の課題として○○という問題がありますが、私自身は△△すべきだと考えます。
御社としては、この問題に対してどのような事業戦略を展開していくのでしょうか?」
坂本:業界自体の課題を踏まえ、どのような戦略で生き残りを図るか問う質問です。
この質問を通じて、経営層である面接官たちの事業展開のプランを聞き出すことができます。
また「△△すべきだと思います。」このように自分自身の意見を述べることで、思考力や企業に対する熱意も伝えられます。
「若手社員に求めること、期待することはありますか?」
坂本:これは新卒社員に対して求める役割を問う逆質問です。
こちらも入社意欲の高さをアピールするために、新卒社員として持つべき心構え・意識を問う質問です。
またトップ層の若手社員に対する考え方や社風も伺える質問です。
例えば面接官が「積極的に仕事を覚え、改善策を提案しててほしい」と答えた場合、若手にも主体性を発揮し自由に動かせてくれる社風を垣間見ることができる。
このように、複数内定をもらった時の判断軸としても活用できる質問でしょう。
「入社後の参考として、今までキャリアの中で、仕事をする際に大切にしてきた考え方や教訓などあればご教示ください」
坂本:これは、面接官自身の仕事に対する考え方を聞く質問です。
この質問で、面接官の仕事観から学びを得るという「素直さ」を最終面接で示せる。
それが面接官に対して好印象を与えることに繋がります。
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※上記は数ある体験記の中のごく一部です。
企業の最終面接で落ちた…実際に内定を逃した失敗例
坂本:ここまで最終面接で聞かれる質問について回答のポイントをお伝えしました。
ですがちゃんと質問の受け答えをできたとしても細かいミスで最終面接に落ちたら元も子もありません。
そこで最後に、実際に内定を逃した就活生の失敗例についてお伝えします。
先にも述べた通り、最終面接で面接官を務めるのは、役員や社長といった会社のトップ層。
彼らに、少しでも違和感を与える言動を行うと、もらえたはずの内定がもらえない、そんな事態に陥る危険性があります。
些細な失敗をしないことが最終面接においても、非常に重要。そこで最終面接にて実際に就活生がやってしまった失敗をお伝えします。
<最終面接で落ちた失敗例① マナーの抜け漏れ>
坂本:最終面接では、普段の面接以上に身だしなみ・言葉遣いといった基本的なマナーを注意しましょう。
なぜなら最終面接で面接官を務める、高役職者ほど「この就活生に会社の将来を背負わせられるか?」という意識を強く持っています。
やはり会社の顔として表に立つことの多い高役職者ほど基本的なマナーに気を使っているんですね。
この場合、身だしなみや言葉遣いなど基本的な部分が欠落していると「彼には会社は背負わせられない」となり得ます。
例えば、最終面接の最中口が滑り敬語が少し抜けてしまったり、革靴が汚れていたり、そういった些細なことで面接官の心象を悪くすることもある。
基本的なマナーで足元を救われると、人事がプッシュしている優秀な学生でも落とされうるので気をつけましょう。
<最終面接で落ちた失敗例② 志望度を疑われるような言動>
坂本:最終面接における失敗の2つ目は、志望度を疑われるような言動。
最終面接は、内定出しを判断する最後の場です。
それ故、当然自社への入社意欲が高い就活生に内定を出したいと言う企業側の意図があります。
その最終面接の場で、自社への志望度を疑われるような言動は必ずやめましょう。
極端な例ですが、面接官に「弊社が第一志望ですか?」と聞かれた際に、「第一志望ではありません。
今受けている他企業の内定をもらったら、そちらの方に入社します」といった言動は論外です。
また、「御社は第一志望群です。第一志望群ですが、同業界の○○社様と○○社様と迷っています」と述べたとして、今受けている企業が業界トップでなかった場合等は、「他の会社から内定出たら、その会社に入社してしまいそうだな」という印象を面接官に与えてしまいます。
そこで、最終面接にて「弊社が第一志望ですか?」と聞かれた場合の答え方は、
「もちろん第一志望です。もし採用して頂けたなら就職活動を終えてもよいと考えています」と答える。
もしくは、 「御社は第一志望群です。他にも○○社と○○社の選考を受けており、志望順位を決めかねています。
ですが、御社は~~という理由で最も私の企業選びの軸に当てはまると考えており、非常に魅力的に感じています」
このように、最終面接段階でも第一志望群で他社と決めかねている場合は、その企業を魅力的に感じる理由を述べ、面接官に対するフォローを行いましょう。
<最終面接で落ちた失敗例③ 留年や成績の悪さなど学業面の失敗を反省していない>
坂本:そして意外と多いNG行動は、成績の悪さや留年といった学業面の失敗を反省せず、面接官の心象を悪くする。
結果として最終面接に落ちたというものです。
もちろん、面接官の中には自身も留年経験があり寛容な方もいます。
しかし、学業における成績は学生に当然求められる「成果」と捉え、成績の高低を重視する面接官がいることは事実。
なので、最終面接で成績の悪さを突っ込まれた場合は、
「留年もしくは成績が悪い理由や反省点、そして留年経験や学業以外の経験で何を学んだのか。」
これらを明確に伝え、最終面接ではくれぐれも悪印象を与えないように注意しましょう。
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企業の最終面接の結果は、いつわかるのか?
ーそれでは次に最終面接の面接結果はいつ企業から伝えられるのでしょうか?
坂本:基本的に、最終面接の結果は企業によって大きく変わります。
大きく分けると2パターンあります。
1パターン目は、最終面接当日中に採用と言い渡され面接官と握手して終わるケースです。
2パターン目は、最終面接の3〜5日後に伝えられるパターンです。
企業によっては、予め内定通知が出る日にちを決めているパターンもあります。
その場合は、最終面接の後、「結果は○日にお伝えします」と面接官から言われると思います。
この2パターン目の内定通知の連絡方法については、基本的に内定がもらえるケースだと、電話で来ることが多いと思います。
<3〜5日たっても、最終面接の結果連絡が来ない場合>
坂本:3日〜5日たっても最終面接の結果連絡が来ない場合は、企業側に問い合わせることです。
基本的には、最終面接の結果をサイレントお祈りするケースは少ないでしょう。
最終面接まで選考に進んだ学生に、結果を伝えずサイレントお祈りすると自社のイメージが相当悪くなるはずですから。
あらかじめ○日に内定通知が来ると決まっていて、連絡が来なかったケースは自分から採用マイページや採用担当の部署にメールもしくは電話で確認をしましょう。
企業の最終面接の後、お礼メールは送るべきか?
ーそれでは最後に、最終面接の後お礼メールを送るべきかそうでないかについて教えて頂けますか?
坂本:大前提、最終面接が終了した時点で、採用の有無は役員が判断しているでしょうし、お礼メールを送ることで企業側の印象を高め、採用の可能性を高める効果は期待できないでしょう。
しかし結論としては、送ること自体に損はなく、良識的にもお礼メールは送るべきかと思います。
基本的にその他の面接も同様ですが、お礼メールは翌日の午後までには送った方が良いですね。
その理由としては、お礼メールは早く送った方が受け手の印象が良いこと。
また採用担当の部署は最終面接の時期だと、多くのメールや連絡事項、採用業務に追われます。
そのため、極力最終面接翌日の早い時間帯にメールを送った方が、担当者の目に触れる可能性が高いですから。
ー最終面接の後にお礼メールを送る場合、注意点などありますか?
坂本:それについては、基本的なメールを送るマナーに関してですね。
メールの内容が件名だけで伝わること、宛名には担当部署や担当者名、会社名をかくこと等。
加えて、最終面接中の面接官の話もしくは逆質問への応答で、心に残ったことや感銘を受けた旨等を記載し、お礼を伝える程度だと思います。
ー坂本さん、ありがとうございました。
編集部にて、最終面接直後のお礼メール例文を作成したので就活生の皆さん参考にしてください。
<最終面接のお礼メール例文>
【件名】最終面接のお礼に関して
株式会社○○ 人事部採用課 △△ 様
いつもお世話になっております、○○大学○○学部の○○と申します。
本日は大変お忙しい中、最終面接の時間を頂き誠にありがとうございます。
また○○様が描く、貴社の今後のビジョンや会社の未来を担う責任についてのお話には、心から感銘を受けたと共に入社意欲の高まりを感じました。
会社の将来的な戦略を描き、従業員、株主、すべての関係者の満足度を追及する貴社だからこそ、顧客の信頼を勝ち得ているのだと改めて実感致しました。
この度は、貴重なお時間を頂けたこと、心からお礼申し上げます。
何卒宜しくお願い致します。』
最終面接後のお礼メールについてポイントは2つです。
1点目は、件名や面接通過へのお礼など基本的なメールのマナーを満たすこと。
2点目は、最終面接を得てどんな学びを受けたか、また面接中のどんな話に感銘を受けたかを伝え、入社意欲の強さを念押しすることです。
最終面接中に感銘を受けた話内容は、人によって異なる部分です。
面接の内容に即して、企業に対して感じた魅力を伝えましょう。
ー最終面接の評価視点から、面接後のメールまで、最終面接に際して必要な事項を網羅的に伺うことができました。
坂本さん、本日はありがとうございました。
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