なぜ外資系投資銀行IBDをファーストキャリアに選んだのか?
既に就活を終えた、19卒の大学生に自身の就活について伺う本企画。
今回、編集部は都内の私立大学4年生に通う、外資系投資銀行IBD(投資銀行部門)内定者の田中さん(仮名)に取材を実行。
本記事は、田中さんが外資系投資銀行を選んだ理由、そして外資系投資銀行がエリート学生に支持される背景について迫ります!
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日本企業の発展に寄与できる仕事に就きたかった
ーまず田中さんは、どのようなスケジュールで就職活動をされていたのですか?
田中:留学から帰ってきた3年生の6月中旬から、夏のインターン選考に参加し始めました。
そこで夏のインターン後から、外資系の本選考に進んで。
最終的には、3年生の1月に内定を頂き、就職活動を終えました。
―なるほど。ではどのような軸を持って就活に取り組んだのでしょう?
田中:僕は2つの企業選びの軸がありました。
1点目は、日本企業の国際的地位向上に大きく寄与できる仕事です。
というのも、留学した際に日本文化の洗練さや日本の文化水準の素晴らしさを痛感しました。
そのため日本人という自分のアイデンティティを再確認し、漠然と「日本という国に貢献したい」と思うようになりました。
加えて私は、ゼミで国際関係の研究をしていました。
研究を通じて養った価値観ですが、国際社会の世界は、闘争社会です。
具体的に何で闘争をしているかというと、「力」と「利益」です。
「力」とは軍事力を指しますが、軍事力を日本が行使することは難しく、僕自身も関わることはできない。
と考えると、日本の経済的「利益」に大きく貢献したいなと。
日本における「利益」の担い手は、「日本企業」です。
なので、自分は幅広く「日本企業」の事業展開や海外展開をサポートできる職に就き、日本の国際的地位を高めたいなと。
2点目は、現実的に「お金」を多く稼げる仕事です。
というのも「日本に貢献したい」と思いつつも、自分個人として明確な「やりたいこと」はありませんでした。
ですが将来的に、自分の「やりたいこと」が見つかった時に、それを実現するためにはお金が必要かなと。
まとめると、企業選びの軸として日本企業の発展に寄与できる仕事、そして多くのお金を稼げる仕事。
この二軸で就職活動を始めましたね。
外資系投資銀行は20代から日本トップ企業の経営層と仕事ができる
ー「日本企業に貢献できる仕事」というビジョン面と「金銭的な報酬」という実利面で突き詰めていったと。
では具体的に、どの業界を夏のインターンで受けていましたか?
田中:具体的には、商社・コンサル・日系も含めたIBや証券・金融など幅広く見ました。
10社ほどインターン選考を通過し、実際に夏のインターンに参加したのは6社ですね。
6社の内訳は外銀4社、日系IB1社、商社1社でした。
最初から外資系投資銀行に就職するつもりではありませんでした。
インターン参加の難易度や選考への直結度を踏まえ、結局外銀のインターンに多く参加しましたね。
ー難易度の高い外銀のインターン選考に4社も通過してたのですね(笑)。
その秘訣は次の記事で伺うとして。
ではなぜ外資系投資銀行、中でも投資銀行部門への就職に気持ちが傾いたのですか?
田中:先ほど述べた企業選びの軸に最も当てはまるためです。
外銀では一年目から激務ではありますが1000万円ほど稼げる。
なので金銭面は文句のつけようがない。
そしてインターンを通じて、IBは日本企業の発展に大きく寄与できる仕事だと痛感しましたね。
例えば、外銀の投資銀行部門ではクライアント企業の企業価値最大化を目的に、資本提携や M&A、事業の買収や売却の提案を行います。
日本のトップ企業の社運を左右するプロジェクトに携わる仕事ができるんです。
ーなぜ、日系の投資銀行ではなく、外資を選んだのでしょうか?
田中:日系の投資銀行と違って、外資系投資銀行は海外に強みを持つ。
そのため、外資系投資銀行では日本企業の海外進出を支援できます。
また外資系投資銀行IBDの顧客は、日本の一大企業トップ企業。
なおかつ外資系投資銀行のIBDは、20代30代がメインで仕事を行います。
若くしてトップ企業の経営層と相対し議論を重ねながら、仕事ができる。
そのため、若い頃から自分が主役として働ける環境なんですね。
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外資系投資銀行のIBDは「日本人」が最大限に活躍できる環境
ー若いうちから大きな影響力を発揮することで、自身の成長につながると考えたんですね。
田中:そうですね。
加えて、外資系投資銀行IBDは「日本人」が活躍できる環境であることも魅力的でした。
また外資系投資銀行のIBDのクライアントはあくまで日本企業。
そのため、日本人であることがクライアントの企業文化や意思決定への理解に繋がります。
だから日本人もしくは日本で育った人しか絶対に務まらない仕事。
とてもローカライズされている部署です。
だからこそ、日本人であることが活かせる部門なんです。
ーでは、最終的になぜ今の内定先に決めたのですか?
田中:外資系投資銀行IBDの中でも、比較的上位のティアの企業だからです。
私は、殆どすべての外資系投資銀行IBDの本選考を受けていました。
いわゆる外銀の中でも、ランク付けされていて一番上のティアがゴールドマンサックス、JPモルガン、モルガンスタンレーの3社。
次のティアはメリルリンチ、シティなどで、次いでバークレイズや欧州系の外銀が続きます。
それを踏まえ、なぜ上位のティアなのかというと、世界や日本国内の両方で高い実績を持つ企業の方が案件を獲得しやすい。
そのため様々な業界の案件を経験し、自己研鑽するには最適な環境であるためです。
本選考においても、そう伝えていました。
ーでは、ご自身のキャリアイメージを教えてください。
田中:とりあえずマネージングディレクターと呼ばれるIBD内の最高役職を目指します。
とはいえ外資のIBDは50歳が最高年齢で、50歳以降は会社に残れない。
なので、常に転職という選択肢は頭の中にありますね。
やはり外資系投資銀行IBDに就職する大きなメリットは、自身のキャリアパスが大きく広がること。
例えば、大企業の財務や経営企画職への転職もできれば、PEファンドへの転職もできる。
楽天の代表取締役三木谷さんもIB出身の方ですし、CFO界隈にも外銀出身者は非常に多い。
例えば、メルカリのCFOも外資系投資銀行IBD出身の人ですね。
なので自分自身のキャリアパスに関しての不安はないですね。
ー常に転職という選択肢を置きながら、社内で実力をつけていくと。最後に就活生に向けてのアドバイスをお願いします。
田中:自分にリミットを設けず、色んな企業を受けた方が良いです。
外資系投資銀行といえば、非常に優秀かつエリート学生が多く集まるイメージがある。
それ故、「自分にはそういう会社は無理だ」と思い敬遠する人も多い。
ですが、それは自分が勝手にそう思っているだけです。
実際に選考に進んでみて、落とされたら自分の限界かもしれない。
ですが受ける前から自分の限界を決めつける必要はありません。
また、早期から開始する外銀の選考を受け経験を積むことで、日系の選考が後々非常に楽になりますから。
ー選ばれたスーパーエリート大学生が就職する外資系投資銀行部門。
多くの就活生には高いハードルのように思えます。
ですが、就活に臨むにあたって、とにかく「挑戦するべきだ」と。
本日はありがとうございました。
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