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【例文付き】銀行の志望動機を作る7STEP|業界の基礎知識・構成・書き方のポイントを解説

銀行の志望動機の作り方を7STEPで解説。業界の基礎知識から自己分析、構成・書き方のポイントまで、元人事が具体的に伝授します。メガバンク・地銀・信託銀行など業態別の例文も豊富に掲載しています。

「証券や保険ではなく、なぜ銀行なのか」「数ある銀行の中で、なぜ当行なのか」。多くの就活生がこの問いへの答えに悩み、自分の言葉でうまく語れずに立ち止まってしまいます。

本記事では、元日系大手人事で、en-courageの就活サポーターとしても学生を支援している成田さん監修の基、en-courage利用者へのインタビュー内容も交えて、採用担当者に響く志望動機の作り方を7STEPで解説します。業界の基礎知識から構成・書き方のポイント、業態別の例文まで掲載していますので、この記事を読めば説得力ある志望動機が書けるようになります。

銀行業界の採用担当者が志望動機で見ているポイント

銀行業界の人事が志望動機で見ているポイントとして、「なぜ銀行業界なのか」「なぜその銀行なのかという他行との差別化」「入社後にどう貢献できるか」の3点が大きく掲げられています。下部にはアドバイザーの成田さんのコメントとして、志望動機は単なる書類ではなく自分の本気度と将来性を証明するプレゼンテーションの場であるという助言が記されています。

元人事の成田さんは「志望動機は単なる応募書類ではなく、あなたの本気度と将来性を証明するプレゼンテーションの場である」と語ります。ここでは、銀行業界の志望動機で評価の分かれ目となるポイントを解説します。

なぜ銀行業界なのか

まず「なぜ金融業界なのか」を明確にする必要があります。多くの就活生が他の金融機関も併願しているため、「なぜ他ではなく銀行なのか」という点は必ず問われます。リスクへの備えである保険や、投資機会を提供する証券とは異なり、銀行は資金の融通を通じて経済の根幹を支える役割を担っています。この違いを理解し、銀行でなければ実現できないキャリアビジョンを提示することが大切です。

なぜその銀行なのか(他行との差別化)

次に重要となるのが「なぜその銀行なのか」という点です。特にメガバンクや地方銀行同士では事業内容が似通っているため、差別化が難しいポイントです。「理念に共感した」という抽象的な理由ではなく、その銀行独自の強みや戦略、行員の雰囲気など、具体的な事実に基づいた理由が必要です。公式情報だけでなく、インターンシップやOB・OG訪問で得た一次情報を盛り込むことで説得力が増します。

入社後にどう貢献できるか

最後に、入行後にどのような価値を発揮できるかを示す必要があります。単なる熱意だけでなく、自身の強みが銀行業務にどう活きるかを具体的に伝えることが求められます。傾聴力や論理的思考力、誠実さなど、銀行員に求められる資質と自身の経験を照らし合わせ、貢献できるイメージを明確に言語化しましょう。

銀行の志望動機を作る7つのステップ【全体像】

銀行の志望動機を作るための7つのステップの全体像がフローチャート形式で示されています。まずは銀行業界の基礎知識を押さえることから始まり、業界への魅力、その銀行への魅力、自身の強みの整理、構成や書き方の理解、例文の参照を経て、最後に就活のプロに添削してもらうというステップ7までの流れが順を追って記載されています。

en-courage利用者へのインタビューや、多くの就活生を支援してきた成田さんの知見に基づくと、銀行の志望動機を作成するには7つのステップを踏むと内定に近づくことがわかりました。次のセクション以降では、以下のステップに沿って解説していきます。

【ステップ①】銀行業界の基礎知識を押さえる

成田さんが考える「落ちる志望動機」の共通点は、業界理解の浅さです。銀行のビジネスモデルや種類、職種の違いといった基礎知識を確実にインプットしましょう。

銀行の3つの基本業務(預金・融資・為替)

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銀行には主に「預金」「融資」「為替」という3つの固有業務があります。

  • 預金業務:個人や法人から資金を預かり管理する機能
  • 融資業務:預かった資金を必要とする個人や企業に貸し出して利息収入を得る機能
  • 為替業務:振込や送金による資金決済を行う機能

これらの基本機能を軸に、投資信託の販売やM&A仲介、ビジネスマッチングなど、業務範囲は多角化しています。志望動機を書く際は、これらのどの機能を通じて社会や顧客に貢献したいのかを明確に意識しましょう。

銀行の種類と特徴

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「銀行」と一口に言っても、その種類や役割は多岐にわたります。志望する銀行がどのカテゴリーに属し、どのような特徴を持っているかを把握することは、志望動機作成の前提条件です。

  • メガバンク:圧倒的な資金力を背景に、国家プロジェクトや企業のグローバル展開を牽引します。世界規模のビジネスに挑戦できる一方、全国転勤や海外赴任が前提となります。スケールの大きな仕事でグローバルに活躍したい人に最適です。
  • 地方銀行:特定の地域経済を支える重要拠点です。地元の中小企業や個人と深く長い関係を築き、親身な支援ができる点が魅力。転勤エリアが限定的なため、特定の地域に腰を据えて貢献したいという強い想いを持つ人に向いています。
  • 信託銀行:通常の銀行業務に加え、不動産・相続・資産運用などの「信託業務」を行える専門機関です。高齢化で資産承継ニーズが高まる中、高度な専門知識を用いて、顧客の資産を世代を超えて守る役割を担えます。
  • 信用金庫・信用組合:株式会社とは異なり、「利益」より「地域への貢献」を最優先する協同組織です。営業エリアが限定されており、中小企業や住民と家族のような信頼関係を築けるのが特徴。地域の人々のために親身になって働きたい人に適しています。
  • ネット銀行:店舗を持たず、IT技術を駆使して利便性と低コストを実現しています。フィンテックの最前線でサービスの開発スピードが速く、変化を好む環境です。既成概念にとらわれず、新しい金融の形を創造したい人に向いています。
  • 外資系投資銀行:企業のM&Aや資金調達を支援するプロフェッショナル集団です。徹底した実力主義(成果主義)で、若手から大きな責任と報酬を得られるチャンスがあります。極めて高い専門性と、激務に耐えうるタフさが求められます。

銀行員の職種と働き方

銀行員の職種と働き方について、総合職と一般職の2つの枠組みで説明されています。総合職の主な業務としては法人営業、個人営業、企画・市場部門が挙げられ、一般職の主な業務としては窓口業務と後方事務が挙げられています。

銀行の主な職種には「総合職」と「一般職(地域限定職)」があります。

総合職の主な業務は以下のとおりです。

  • 法人営業:企業の経営課題解決、融資提案、M&A支援など
  • 個人営業:資産運用提案、住宅ローン相談、相続対策など
  • 企画・市場部門:経営戦略立案、マーケット分析、商品開発など

一般職の主な業務は以下のとおりです。

  • 窓口業務:預金・為替手続き、各種届出対応
  • 後方事務:書類作成、データ入力、電話対応

最近ではコース別採用を導入する銀行も増えており、自身のキャリアプランに合った職種選びが重要です。

押さえておきたい業界トレンド

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銀行業界は今、大きな変革期にあります。主なトレンドは以下のとおりです。

  • 低金利環境の長期化:従来の利ざや収益モデルが厳しくなり、手数料ビジネスや非金利収入の強化が進む
  • デジタル化(DX)の推進:店舗統廃合、オンラインサービスの拡充、業務効率化
  • フィンテック企業の台頭:異業種からの参入により競争が激化
  • 地方銀行の再編・統合:経営基盤強化を目的としたM&Aや経営統合が活発化

志望動機を作成する際は、「安定した業界だから」という認識ではなく、こうした変化をチャンスと捉え、自ら変革に挑戦したいという前向きな姿勢を示すことが評価につながります。

【ステップ②】銀行業界にどういう魅力を感じたのかを整理する

en-courage利用者へのインタビューでよく出てきたのが、「証券や保険との違いをうまく説明できない」という悩みです。数ある業界の中でなぜ銀行を選ぶのか、その理由を明確にすることが志望動機の根幹になります。

銀行ならではの魅力(証券・保険・コンサルとの違い)

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銀行の志望動機を強化するには、他の金融業種との違いを理解することが重要です。

各業種の主な役割は以下のとおりです。

  • 証券会社:株式や債券の売買仲介、投資機会の提供
  • 保険会社:リスクへの備えを提供
  • コンサルティング会社:経営課題の解決を支援
  • 銀行:預金・融資・為替を通じて個人や企業の資金ニーズに幅広く対応

銀行ならではの魅力は以下の点にあります。

  • 企業への融資を通じて事業の成長を長期的に支援できる
  • 地域経済の活性化に直接貢献できる
  • 人生や事業の様々な局面で顧客をサポートできる

銀行ならではの仕事の魅力・やりがい

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銀行で働く魅力は多岐にわたります。主なやりがいは以下のとおりです。

  • 融資業務を通じて企業の成長や挑戦を資金面から支援できる
  • 地域に根差した活動で地域経済の発展に貢献できる
  • 顧客との長期的な信頼関係を築き、人生の様々な局面で寄り添える
  • 預金から住宅ローン、資産運用まで幅広いサービスで課題解決に取り組める

このような銀行特有の価値提供に魅力を感じる理由を、自分の経験や価値観と結びつけて整理しておきましょう。

「なぜ銀行か」を言語化するための自問リスト

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「なぜ銀行か」を明確にするために、以下の問いかけを自分にしてみましょう。

  • なぜお金や金融に興味を持ったのか
  • 銀行業務のどの点に惹かれるのか
  • 証券や保険ではなく銀行を選ぶ理由は何か
  • 銀行でどんな仕事がしたいのか
  • 自分の経験で銀行業務に活かせるものは何か

これらの問いに対する答えを書き出し、自分の言葉で説明できるように整理しておくことが大切です。

【ステップ③】その銀行にどういう魅力を感じたのかを整理する

成田さんが人事として選考に携わる中で、最も差がつくと感じたのがこのパートです。「なぜ銀行か」が固まったら、次は「なぜその銀行なのか」を明確にします。採用担当者は「うちでなければならない理由」を求めています。

企業研究で押さえるべきポイント

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志望先の銀行を研究する際は、以下の項目をチェックしましょう。

情報収集の対象は以下のとおりです。

  • 経営方針・企業理念
  • 独自の強み・差別化ポイント
  • 注力している事業分野
  • 社風・働き方

情報源として活用できるものは以下のとおりです。

  • 企業のホームページ・採用サイト
  • IR資料・中期経営計画
  • 経営者のメッセージ
  • 説明会・OB・OG訪問

外からは見えにくい社風や働き方についても、実際に足を運んで理解を深めることが大切です。

【銀行の種類別】志望動機の方向性

銀行の種類によって、志望動機でアピールすべきポイントは異なります。以下を参考にしてください。

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  • メガバンク:グローバル展開への意欲、大規模案件への挑戦、多様な業務経験を積みたい
  • 地方銀行:地域貢献への想い、きめ細やかな顧客対応、地元への愛着
  • 信託銀行:専門性の追求、資産管理・相続への関心、長期的な顧客支援
  • 信用金庫:地域密着、中小企業支援への想い、顔の見える関係構築
  • ネット銀行:デジタル技術への関心、新サービス創出への意欲、変化への適応力
  • 外資系投資銀行:高い専門性、成果主義への適性、グローバルキャリア志向

自分が志望する銀行の種類に合った方向性で志望動機を組み立てましょう。

同業他社との差別化の考え方

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同じ種類の銀行でも、それぞれに独自の強みや特色があります。

差別化のポイントは以下のとおりです。

  • 海外展開の規模や地域
  • グループ内の連携体制
  • 注力している事業分野(法人向け/個人向け/デジタルなど)
  • 企業理念や経営方針の違い
  • 提供しているサービスの特徴

例えば、メガバンク3行を比較する際は、これらの違いに着目し、なぜその銀行でなければならないのかを明確にすると良いでしょう。

説明会・OB訪問で得た情報の活かし方

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説明会やOB・OG訪問で得た情報は、志望動機に説得力を持たせる強力な材料となります。

情報の活かし方は以下のとおりです。

  • 「説明会で〇〇という話を聞いて共感した」と具体的に述べる
  • 「OB訪問で△△という仕事のやりがいを知り、自分もそうなりたいと思った」と体験を語る
  • 表面的な情報だけでなく、そこから何を感じたかを言語化する

実際の体験に基づく志望理由は採用担当者にも響きます。

【ステップ④】銀行業界で活かせる自分の強みを整理する

採用担当者が知りたいのは、あなたが「銀行員としての適性」を持っているかどうかです。ゼロから強みを考える必要はありません。以下のリストをご自身の経験と照らし合わせ、最も説得力を持って語れるポイントを見つけ出しましょう。

銀行業界で求められる人物像

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銀行業界では、以下のような資質が求められます。

  • 誠実さ:顧客の信頼を得られる人間性
  • 傾聴力:課題を正確に把握する力
  • 論理的思考力:適切な提案ができる力
  • 柔軟性:変化に対応できる力
  • 責任感:顧客の大切な資産を扱う自覚
  • 正確性:細やかな業務をミスなくこなす力

銀行の種類や職種によって重視される要素は異なりますが、信頼性と顧客志向はどの銀行でも共通して求められる資質です。

求める人物像に合う強みとエピソードを探す

以下の問いかけを参考に、求められている強みやそれを裏付けるエピソードがあるかを確認してみましょう。

  • 誠実さ
    • 自分にとって不利益なことでも、正直に伝えて信頼を得た経験はあるか?
    • 約束やルールを、誰も見ていないところでも徹底して守り抜いた経験はあるか?
  • 傾聴力
    • 相手が言葉にしていない「本当の悩み」や「意図」を汲み取った経験はあるか?
    • 一方的に話すのではなく、質問を重ねて相手の考えを引き出し、解決に導いたことはあるか?
  • 論理的思考力
    • 感覚ではなく、データや事実に基づいて課題の原因を分析した経験はあるか?
    • 複雑な物事を整理し、相手にわかりやすく順序立てて説明し、納得させた経験はあるか?
  • 柔軟性
    • 予期せぬトラブルや環境の変化に対し、焦らず代案を出して対応した経験はあるか?
    • 古いやり方に固執せず、新しいツールや方法を積極的に取り入れて改善したことはあるか?
  • 責任感
    • チームのメンバーがやりたがらない地味な役割を、最後までやり遂げた経験はあるか?
    • 結果が出ない時でも逃げ出さず、成果が出るまで行動し続けた経験はあるか?
  • 正確性
    • 膨大な作業やデータ入力を、ミスなく効率的に処理するために工夫した経験はあるか?
    • 細部まで確認を怠らず、チームのミスを未然に防いだ経験はあるか?

【ステップ⑤】構成・書き方・注意点を押さえる

成田さんが人事として数多くのESを読んできた経験から言えることがあります。それは「優れた内容も、伝え方が悪ければ相手に届かない」ということです。ここでは、押さえるべき論理的で読みやすい構成と、採用担当者の心に響く表現テクニックをお伝えします。

志望動機の基本構成

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わかりやすい志望動機は、基本的に以下の順番で構成されています。この型を守ることで、話のブレを防ぎ、採用担当者に要点を的確に伝えることができます。

  • 書き出し(結論):「なぜ志望するのか」という結論を冒頭で一言で述べ、採用担当者に第一印象で理由を明確に伝えます。
  • 将来像(ビジョン):入社直後だけでなく、5年後などにどう成長していたいかというキャリアビジョンを語り、企業と共に未来を描く姿勢を示します。
  • 原体験(背景):その業界や企業に興味を持ったきっかけとなる具体的な過去の経験(エピソード)を述べ、志望理由に説得力と独自性を持たせます。
  • この業界を選んだ理由:業界全体の特徴や魅力を理解した上で、それが自身の価値観や経験とどう結びついているかを説明します。
  • この企業を選んだ理由:同業他社ではなく、その企業独自の強み(理念・事業・社風など)を挙げ、「なぜこの会社でなければならないか」を明確にします。
  • 締めくくり(結論の強調):自分の強みや経験を活かして、入社後に具体的にどのような形で貢献したいかを宣言し、熱意をアピールして結びます。

書き方のポイント

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読みやすく、かつ評価される文章にするためのテクニックを紹介します。これらを意識するだけで、文章の質がグッと向上します。

  • 求める人物像にマッチさせる:自分の強みや価値観を企業の理念や仕事内容と結びつけ、単なる熱意だけでなく「入社後に働いている姿」を具体的にイメージさせます。
  • 結論ファーストで書く:「なぜ志望するのか」という結論を冒頭で明確に伝え、採用担当者が続きを理解しやすい構成にします。
  • 定量的に書く:取り組みの成果や規模を具体的な数字(例:「20%向上」)で表すことで、説得力を高め、読み手との認識のズレを防ぎます。
  • 他社にはない企業の強みに言及する:企業研究に基づき、競合他社にはないその企業独自の特徴や魅力に触れることで、高い志望度を伝えます。
  • 原体験を具体的に述べる:無理に「その企業でなければならない理由」を作るのではなく、自身のライフヒストリー(過去の経験や価値観)に基づいた正直な理由を伝えます。
  • インパクトのある書き出しと締めくくりにする:書き出しで読み手の興味を惹きつけ、締めくくりで入社後の活躍を強く印象づけることで、評価を高めます。

注意点・避けるべき表現

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避けるべき表現を知ることで、マイナス評価を防ぐことができます。よくある失敗例とその改善策を確認しましょう。

  • どの銀行にも当てはまる内容:どの銀行でも言える内容は志望度が低いと判断されます。固有名詞や具体的な取り組みを挙げましょう。
  • 「安定」「給与」「福利厚生」が理由の中心:待遇面ばかりを強調すると、仕事へのやる気を疑われます。あくまで業務を通じた貢献を主軸に置きましょう。
  • 「成長したい」「学びたい」など受け身:会社は学校ではありません。成長意欲は大切ですが、それが最終的にどう会社への貢献につながるかを示す必要があります。
  • 「経済を動かしたい」など抽象的な表現:スケールが大きすぎる表現は具体性を欠きます。日々の業務の積み重ねがどう経済貢献につながるか、論理的に説明しましょう。
  • エピソードの過程が不明確:結果だけでなく、そこに至るプロセス(思考と行動)を書かなければあなたの能力が伝わりません。

▼志望動機の構成・ポイント・注意点について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
エントリーシートの志望動機の構成と書き方!周りと差をつけるポイントを元日系大手人事が解説

【ステップ⑥】例文を参考にしながら書く

ここでは、銀行の業態や職種別の志望動機例文を紹介します。成田さんが実際に添削してきた事例をもとに、ポイントも解説しています。これらをヒントに、自分だけのエピソードを盛り込んで作成してください。

メガバンク×総合職(法人営業)

<例文>

私は企業の成長を資金面から支援する仕事に携わりたいと考え、メガバンクの法人営業を志望しています。大学時代に所属したゼミで企業分析を行い、資金調達が事業成長の鍵となることを学びました。貴行はグループの総合力を活かした課題解決型の提案に強みがあり、企業の経営課題に深く入り込めると感じました。アルバイトで培った課題発見力と粘り強さを活かし、法人営業として企業の挑戦を支えるプロフェッショナルを目指します。

<ポイント>

  • 法人営業への関心:企業支援に興味を持った理由を具体的に示している
  • 銀行の強みの理解:グループ総合力という特色に言及し差別化している
  • 強みとの接点:自身の経験から得た能力を業務と結びつけている

メガバンク×総合職(個人営業)

<例文>

私はお客様一人ひとりの人生に寄り添い、資産形成をサポートする仕事に魅力を感じ、貴行の個人営業を志望しています。サークルの代表として多様なメンバーの意見を調整した経験から、相手の立場に立って考える傾聴力を身につけました。貴行は金融の枠を超えた総合コンサルティングに力を入れており、お客様の人生設計をトータルで支援できる点に惹かれました。培った傾聴力を活かし、お客様から信頼されるパートナーを目指します。

<ポイント>

  • 個人営業への適性:傾聴力という具体的な強みを示している
  • 顧客志向:お客様の人生に寄り添うという価値観を伝えている
  • 企業理解:総合コンサルティングという強みを把握している

メガバンク×一般職

<例文>

私は正確な業務遂行でお客様からの信頼を支える仕事に就きたいと考え、貴行の一般職を志望しています。事務アルバイトでデータ入力や顧客対応を担当し、ミスのない正確な作業が信頼構築の基盤であることを実感しました。貴行は顧客第一を掲げ、高品質なサービス提供に注力しています。入社後は正確性と責任感を持って業務に取り組み、お客様と行員から頼られる存在を目指します。

<ポイント>

  • 一般職適性:正確性という求められる能力をアピールしている
  • 原体験:アルバイト経験から得た気づきを述べている
  • 志望意欲:具体的な貢献イメージを示している

地方銀行×総合職

<例文>

私は生まれ育った地域の発展に貢献したいという想いから、貴行を志望しています。大学時代に地元企業でのインターンを経験し、地域経済を支える中小企業の可能性と課題を目の当たりにしました。貴行は地域密着型の営業で中小企業との関係が深く、経営者に寄り添った提案ができる環境があります。地域の企業と信頼関係を築き、融資やソリューション提案を通じて地域経済の発展に貢献したいと考えています。

<ポイント>

  • 地域貢献:地元への愛着と貢献意欲を明確に示している
  • 原体験:インターン経験から具体的な気づきを得ている
  • 地銀の特色理解:地域密着という強みを踏まえている

地方銀行×一般職

<例文>

私は地元のお客様に寄り添い、日々の金融ニーズに応える仕事がしたいと考え、貴行の一般職を志望しています。地元の商店街でアルバイトをした際、顔なじみのお客様との関係を大切にする姿勢を学びました。貴行は地域に根差したきめ細やかなサービスを提供しており、お客様との距離が近い点に魅力を感じました。窓口業務を通じて、地域の皆様から信頼される存在になりたいと考えています。

<ポイント>

  • 地域密着:地元との繋がりを大切にする姿勢を示している
  • 顧客対応力:アルバイト経験から得た学びを活かしている
  • 具体的な志望理由:地銀一般職ならではの魅力を理解している

信託銀行×総合職

<例文>

私は専門性を活かしてお客様の資産を守り育てる仕事に携わりたいと考え、貴行を志望しています。祖父母の相続手続きを間近で見た経験から、資産管理の重要性と専門家の必要性を実感しました。貴行は銀行業務と信託業務を併せ持ち、相続や資産運用まで一貫したサービスを提供できる点に魅力を感じました。信託業務の専門知識を身につけ、お客様の大切な資産を次世代に繋ぐサポートがしたいです。

<ポイント>

  • 専門性への関心:信託銀行ならではの業務に興味を持った理由を示している
  • 原体験:家族の経験から生まれた動機を伝えている
  • 業務理解:信託業務の特徴を正しく把握している

信用金庫

<例文>

私は地域の中小企業を身近な立場で支援したいと考え、貴庫を志望しています。家族が経営する小さな工場が資金繰りに苦しんだ際、信用金庫の担当者が親身に相談に乗ってくれた姿を見て、地域密着型の金融機関の存在意義を感じました。貴庫は非営利の精神で地域の互助に取り組んでおり、中小企業との距離が近い点に惹かれました。地元企業の課題に寄り添い、一緒に解決策を考えられる職員を目指します。

<ポイント>

  • 信用金庫の特色理解:非営利・地域互助という特徴を把握している
  • 原体験:家族の経験から具体的な動機が生まれている
  • 顧客志向:中小企業に寄り添う姿勢を示している

ネット銀行

<例文>

私はデジタル技術を活用した新しい金融サービスの創出に携わりたいと考え、貴行を志望しています。大学でプログラミングを学び、テクノロジーで人々の生活を便利にすることに興味を持ちました。貴行はデジタルネイティブな銀行として、従来の銀行にはない利便性の高いサービスを提供しています。ITスキルと金融知識を掛け合わせ、お客様に新しい価値を提供できるサービス開発に貢献したいです。

<ポイント>

  • ネット銀行の特色理解:デジタル・利便性という特徴を捉えている
  • 強みの提示:ITスキルという具体的な能力をアピールしている
  • 将来ビジョン:サービス開発への意欲を示している

外資系投資銀行

<例文>
私は企業の成長と変革を金融のプロとして支援したいと考え、貴社を志望しています。大学時代に経済学を専攻し、M&Aが企業価値向上に与えるインパクトの大きさに関心を持ちました。貴社は高度な専門性とグローバルなネットワークを強みに、ダイナミックな案件を手がけています。成果主義の環境で自らを高め、企業の重要な意思決定をサポートできるバンカーを目指します。

<ポイント>

  • 業務への関心:M&Aなど具体的な業務への興味を示している
  • 外銀の特色理解:成果主義・グローバルという特徴を把握している
  • 成長意欲:高い専門性を身につける意欲をアピールしている

【ステップ⑦】就活のプロに添削してもらう

成田さんが実際に人事として選考を行う中で感じたのは、添削を経た志望動機とそうでないものには明確な差があるということです。志望動機の完成度を高める最終工程として、第三者によるチェックは不可欠です。

なぜ第三者の添削が必要か

第三者に読んでもらうことで、自分では気づかない誤字脱字や表現の曖昧さを発見できます。また、自分の中では伝わっているつもりでも、他者には理解しづらい部分があるかもしれません。客観的な視点でのフィードバックにより、より完成度の高い志望動機に仕上げられます。

添削を受ける際のポイント

添削を依頼する相手としては、特に就活エージェントがおすすめです。多くの学生の志望動機を見てきた経験から、企業目線での具体的なアドバイスを得られます。

添削時にチェックしてもらうべきポイントは以下の通りです。

  • 論理的な構成になっているか
  • 誤字脱字がないか
  • 敬語の使い方が正しいか(特に「御社」と「貴社」の使い分け)
  • 結論ファーストになっているか
  • 抽象的な表現が多くないか

これらの観点で具体的な改善案をもらうことで、説得力のある志望動機に仕上げられます。

就活エージェントを活用するメリット

就活エージェントを活用すると、志望動機の添削だけでなく、業界や企業に関する専門的なアドバイスを受けられます。多くの学生を見てきた経験から、効果的な表現方法や改善ポイントを具体的に教えてもらえますので、積極的に活用しましょう。

よくある質問・FAQ

就活のサポーターとしてよく聞かれる質問や、en-courage利用者へのインタビューで出てきた疑問への回答をご紹介します。

金融の知識がなくても大丈夫?

結論から言えば、選考時点で専門的な金融知識がなくても問題ありません。銀行は充実した研修制度を整えており、知識は入行後に習得できるからです。採用担当者が重視するのは、知識の量よりも「なぜ銀行なのか」という熱意や、新しいことを学ぶ意欲、そして人柄です。ただし、最低限の業界用語やニュースに関心を持ち、学ぶ姿勢を見せることは大切です。どこまで知識をつけておくべきか不安な場合は、就活エージェントに相談すると、銀行ごとに求められる知識レベルや効率的な学習方法をアドバイスしてもらえます。

面接で話す時は何に気をつければいい?

面接では、エントリーシートの内容を丸暗記して話すのではなく、自分の言葉で感情を込めて伝えることが重要です。エントリーシートはあくまで概要であり、面接ではそこに書ききれなかった具体的なエピソードや想いを補足しましょう。また、結論から話すこと、相手の目を見て話すことなど、基本的なコミュニケーションマナーも評価の対象となります。面接対策に不安がある場合は、就活エージェントの模擬面接を活用するのがおすすめです。プロの視点で改善点を指摘してもらえるため、本番での通過率が大きく向上します。

複数の銀行に同じ志望動機を使ってもいい?

志望動機の使い回しは避けるべきです。銀行ごとに強みや文化、注力している事業は異なります。汎用的な志望動機は、採用担当者に「どこでもいいのだろう」と見透かされてしまいます。「なぜ金融業界か」という部分は共通していても、「なぜ貴行か」という部分は、必ずその銀行独自の内容にカスタマイズして熱意を伝えましょう。各銀行の違いや差別化ポイントがわからない場合は、就活エージェントに相談してみてください。業界に精通したプロが、各行の特徴や志望動機の書き分け方を具体的にアドバイスしてくれます。

持っておくと有利な資格は?(FP・簿記・証券外務員など)

必須ではありませんが、簿記、FP(ファイナンシャルプランナー)、証券外務員などの資格を持っていると、金融業務への関心や基礎知識があることの証明になり、アピール材料になります。特に証券外務員などは入行後に取得必須となるケースが多いため、学生のうちに取得しておくとスタートダッシュに有利です。ただし、資格そのものよりも、取得に至る努力のプロセスや意欲が評価されます。どの資格を優先すべきか迷った場合は、就活エージェントに相談すると、志望する銀行や職種に合わせた資格取得の優先順位を教えてもらえます。


監修:成田 駿

元日系大手人事/就活サポーター

日系大手事業会社で最年少部長に就任し、新卒採用に5年以上従事。戦略設計からイベント企画、選考フロー、研修まで新卒採用の入口から出口までを幅広く担当し、延べ3,000名以上の学生と接点を持つ。人事業務以外でも累計2,000名以上の就活生を個別に支援し、大手・外資・メガベンチャーなど多様な企業への内定実績を誇る。

協力:NPO法人en-courage

全国約120の大学に支部を展開し、就活生を対象としたキャリア教育支援を行うNPO法人。独自にイベントやメディアを多数運営し、年間2,500件以上のセミナーを開催。企業と学生の間に年間約80万回の接点を創出するなど、国内最大級の規模で活動している。すべての就活生が本質的なキャリアを通じて人生を最大化できるよう、個別支援やコミュニティづくりを通じたサポートを目指している。