エントリーシート概要
年度:2020卒 選考:秋・冬インターン 職種:技術総合職
卒論・修論の研究内容について専門外の人にもわかるようにまとめてください。 研究テーマが未定の場合は、これから研究したいと考えているテーマについて教えてください。(600文字以内)
私は有機結晶内で一部の分子ユニットが回転する有機金属錯体の研究を行っています。ベンゼン環ユニットなど分子の一部が有機結晶内で回転するものはアンフィダイナミック結晶と呼ばれます。アンフィダイナミック結晶は回転部位が光、熱、電場、磁場等の多様な外部刺激に応答して機能が変化することからセンサー材料への応用が期待されています。以前、私が所属する研究室では金ホスフィン錯体という有機金属錯体が常温から---150℃まで冷却すると、結晶の発光色が緑色から黄色へと変化し、分子の回転が発光性の変化に関与していることを報告しました。私は回転する分子ユニットをチューニングすることにより、発光色の変化が生じる温度領域が異なる分子の開発に取り組んでおります。私は現在まで種々の金ホスフィン錯体を合成し、温度変化に対する光応答性を調査しました。この過程で偶然にも温度を変化させたときに、有機結晶がジャンプする現象を発見しました。この現象が分子の回転というミクロな運動がマクロな力学的運動へと変換され、生じるものであるということを明らかにしました。(第98回春季年会、第68回錯体化学討論会優秀講演賞)温度を変化させたときに有機結晶がジャンプする現象の機構は不明な点が多かったため、今後の機構解明に役立つと考えられています。現在は電場などの外部刺激に応答して発光色の変化を起こすアンフィダイナミック結晶の開発を試みています。
今までの経験や知識を活かして、社会をどうよくしていきたいですか?(400文字以内)
私は食品や飲料の開発を通して、一人ひとりが実現したい空間をつくることを手助けしたいと考えております。ほっと一息つきたいときに暖かいホットコーヒーやカップラーメン、勉強するときに炭酸飲料やおにぎりがそばあるように、私が実現したいと思う空間にはいつも食品や飲料の存在がありました。私は有機発光材料の研究を行う中で「分子に機能を与える」ことに大きな感動を覚えました。この経験を生かし、社会の人々に届く製品を開発したいと考えるようになりました。単結晶X線構造解析や核磁気共鳴装置、量子計算といった多種多様な測定装置を用いる研究を経験したことで、性質を厳密に評価し、分析、改良を行うことができるようになりました。将来はこの経験を活かし、ほっとしたいときや集中したいとき、健康に気を使っているときなど、人々が実現したい空間に少しでも近づけるように、手助けできる商品を開発していきたいと考えております。