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ベンチャーキャピタルとは?就活にあたり知っておきたいVCの基礎知識

「起業・企業経営に関わりたい」「20代から事業運営について幅広く学び、成長したい」そんな就活生は多いのでは?そんな皆様に、ファイナンスから経営支援、事業運営を幅広く手がける”ベンチャーキャピタル(VC)”という選択肢をご紹介します。今回は、ベンチャーキャピタルのビジネスモデルや、市場全体の動向について焦点を当てていきます。

ベンチャーキャピタルにおけるビジネスモデルとは?

今回はベンチャーキャピタルについて徹底解説を行います。では、そもそもベンチャーキャピタルとは何か、どんな業態かを前提として整理していきましょう。

▼ベンチャーキャピタルのビジネスモデルとは? ベンチャーキャピタル(略称VC)のビジネスモデルは、端的にいうと、企業に出資し株式を取得。その後取得した株式の売買を行い利益をあげるといったモデルです。その上で、ベンチャーキャピタルの特徴は2つあります。特徴の1つ目は、出資先が未上場の新興企業に限られる点。

VCは、新興企業に出資して株式を取得。将来的にその企業が株式を公開した際に株式を売却し、その差益で収益をあげています。しかしVCの仕事は、出資、株式の売買だけに留まりません。

ベンチャーキャピタルの特徴2つ目は、企業への出資と同時に経営や事業戦略のコンサルなど、投資先企業の成長を根幹からサポートする仕事をします。なぜなら、投資先の新興企業が企業としての成長を果たせず、上場をできなければ、結果として株式価格が上がらず、ベンチャーキャピタル側でも収益があげられないため。

つまり、ベンチャーキャピタルは出資後、企業の事業、経営運営まで広くサポートし、企業価値向上の役割も担うのです。まとめると、ベンチャーキャピタルは、市場の環境を踏まえた上で、出資先の判断を行う。そして出資後は、企業の伴走者として経営、事業運営をサポートするのです。

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ベンチャーキャピタルの業務内容とは?

ここまではベンチャーキャピタルのビジネスモデルについてざっくりと解説を行いました。では、具体的にベンチャーキャピタルではどんな業務を行なっているのでしょうか? 具体的な業務内容についてお伝えします。

ベンチャーキャピタルにおける業務の流れは大きく以下の4つです。 投資先企業の選定、投資の実行、経営・事業支援、EXIT(株式の売却)。ではそれぞれについて順番に解説していきます。

① 投資先企業の選定 ベンチャーキャピタルの投資業務、第1段階は投資対象となる企業をリサーチし、アプローチを行なっていきます。この投資先を選ぶ上では、多くのベンチャー企業経営者と対面形式で、立ち上げる事業内容やそのビジョン、事業戦略について情報収集を行います。

② 投資先候補から、投資先企業の決定及び投資の実行 直接経営者に訪問し、投資先企業から様々な情報収集を行なう。次のステップとして、様々な観点を踏まえた上で、投資するかどうかの意思決定を行います。

この時考慮するべき観点は、市場の規模や将来的な動向、競合他社、ビジネスモデルなど多岐に渡ります。例えば、ベンチャーキャピタルの投資を行う意思決定の基準として、「事業が成立するかどうか?」といった観点があります。その際、時流に即して投資先の事業が拡大する可能性があるか、事業内容が市場のニーズに即したものとなっているかどうか、など。

このように議論を重ね、最終的に投資するかどうかの意思決定を行います。

③ 経営・事業支援 投資を行なった後、第3ステップとして経営側に入り込み企業の成長をサポートする役割を担います。こちらは、投資額の大きさや株式保有比率の大きさに応じて、どこまでサポートに入り込めるのか、またどこまで経営に対して発言権を持てるかが変わる部分です。

具体的にベンチャーキャピタルが経営に対して行うサポートは、複数挙げられます。例えば、人的リソースの紹介。具体的に説明をすると、企業の成長に伴い社内で求められる専門性や人材は多様化します。

しかし、投資先の新興企業には社内で完結するノウハウや人的資源が足りていない。そんな場合に、ベンチャーキャピタルが間に入り、求めているポジションに似合う優秀な人材を投資先企業に紹介します。

④ 株式の売却 企業に対して投資を行ない、一定期間経過後に資金回収を行います。ベンチャーキャピタルは、株式上場やM&Aなど投資先の企業が拡大し、株価が上がったタイミングで自社が保有している株式の売却を行います。この時の売却額と当社の投資額の差分が、ベンチャーにとって収益となります。

まとめると、企業の立ち上がり期から事業の拡大、また一定企業が成長するまで、資金の供給に限らないサポートを行う。これがベンチャーキャピタルの1つの特徴と言えます。

キャリアという視点から言うと、このVCの仕事では実に多様なスキルを求められます。ベンチャーキャピタルの業務1つ目は、投資先の選定では今後の市場の動向に目を配り、投資対象とするべきベンチャー企業を見極めること。そのためには、幅広いマーケティングの専門性が求められます。また選定にあたり、自社からの投資をベンチャー企業の重役に承認させる営業力。投資の実行では、会計や金融の専門性、経営支援の段階では戦略コンサルのような考え方や事業運営、組織管理の知見など実に幅広い専門性を問われるのです。

したがって、VCは高いレベルのビジネス能力が求められる仕事です。「将来起業したい...」「若手の内から飛躍的にスキルや成長をしたい」そんな方はぜひ、ベンチャーキャピタルを受けてみてくださいね。

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ベンチャーキャピタルの最新動向とは?

ここまでは、ベンチャーキャピタルのビジネスモデルや業務内容について解説しました。これで大枠、ベンチャーキャピタルとは何か?、何をしているのか?についてはご理解頂けたと思います。

では最後に、ベンチャーキャピタル業界は今どういった状況なのか、そうした業界全体の動向について解説致します。

▼ベンチャー投資の市場動向とは?業界全体の動きを解説。

ベンチャーキャピタルの投資等について、一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンターが投資動向の調査を行っています。この調査に基づいた、ベンチャー投資金額の年換算比較によると、以下のような推移で投資金額は推移しています。

ベンチャー投資の件数/投資金額の推移

<2014年度>

・投資金額合計値:1,427億円

・投資件数:942件

▶︎国内向け

・投資金額:646億円

・投資件数:732件

▶︎海外向け ・投資金額:780億円 ・投資件数:210件

<2015年度> ・投資金額合計値:1,234億円 ・投資件数:1063件

▶︎国内向け ・投資金額:738億円 ・投資件数:845件

▶︎海外向け ・投資金額:496億円 ・投資件数:210件

<2016年度> ・投資金額合計値:1,454億円 ・投資件数:1,343件

▶︎国内向け ・投資金額:950億円 ・投資件数:1,074件

▶︎海外向け ・投資金額:505億円 ・投資件数:260件

<2017年度> ・投資金額合計値:1,787億円 ・投資件数:1,374件

▶︎国内向け ・投資金額:1,257億円 ・投資件数:1,151件

▶︎海外向け ・投資金額:529億円 ・投資件数:223件

<2018年度> ・投資金額合計値:2,498億円 ・投資件数:1,546件

▶︎国内向け ・投資金額:1,361億円 ・投資件数:1,287件

▶︎海外向け ・投資金額:1,137億円 ・投資件数:259件

参照元:http://www.vec.or.jp/wordpress/wp-content/files/2019-1Q_jpn_revised.pdf

投資金額、投資件数全体は2015年度から2018年度まで引き続き伸びており、ベンチャー投資は極めて好調な状態と言えます。

▼ベンチャー投資の分野では、海外向けの投資が大きく拡大

ではこの投資額及び、投資件数を国内と海外で分けるとどのような数字になっているのか、それをまとめたものがこちらです。

<2014年度>

▶︎国内向け ・投資金額:646億円 ・投資件数:732件

▶︎海外向け ・投資金額:780億円 ・投資件数:210件

<2015年度> ▶︎国内向け ・投資金額:738億円 ・投資件数:845件

▶︎海外向け ・投資金額:496億円 ・投資件数:210件

<2016年度> ▶︎国内向け ・投資金額:950億円 ・投資件数:1,074件

▶︎海外向け ・投資金額:505億円 ・投資件数:260件

<2017年度> ▶︎国内向け ・投資金額:1,257億円 ・投資件数:1,151件

▶︎海外向け ・投資金額:529億円 ・投資件数:223件

<2018年度> ▶︎国内向け ・投資金額:1,361億円 ・投資件数:1,287件

▶︎海外向け ・投資金額:1,137億円 ・投資件数:259件

国内向け・国外向けに関わらず、ベンチャー投資は年々拡大しています。18年度の国内向け投資額は、前年比8%増加。国内向け投資件数は、12%増加となります。そしてもっとも顕著な特徴は、海外向けのベンチャー投資です。海外向け投資額は、前年比115%上昇と飛躍的な成長を遂げています。

海外ベンチャーの投資に関わりたい、国内外幅広く投資の案件に携わりたい就活生の方がにとっては、絶好の環境と言えます。

では具体的にどんな産業分野に対してベンチャーの投資が行われているか、を知りましょう。それにより、どんな産業分野が投資金額の内どれくらいを占めるのか、そしてベンチャー投資の世界で注目を集めている分野を整理する。

そして、投資先としてどんな産業がアツいのか、注目分野はどこかを理解しましょう。

VCにおける注目分野でいうと、投資金額の50%以上はコンピューター及びITサービスなどIT分野への投資が活発です。そして投資金額構成比の内2位となっている分野が、バイオ・製薬の分野。

具体例をあげると、微細藻類を用いた食品を開発/販売するベンチャーのタベルモが挙げられます。この企業は、17億円もの資金調達を実現。

このようにバイオの領域は、非常に注目をするべき分野の1つ。ベンチャーキャピタルに関心がある就活生のみなさま、こうした最新の事業分野にも関心を持ってみて下さい。

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