Publish date:
Last updated at:

インターンシップと本選考の関係は?現役人事が語る、インターンでのNG行動

インターンシップは就業体験、企業理解が当初の目的でありましたが、学生の売り手市場が進む中でその様相は確実に採用活動の一環に変わりつつあります。今回は、その前提も踏まえてインターンシップ及び就活全体におけるNGの行動について解説致します。

インターンシップと本選考の関係とは?

最初に申し上げておきますが、インターンシップと本選考は続いています。つまりインターンシップ全てが採用活動(≒本選考)の対象になっています。これは多くの企業において、ほぼ同様と言えます。

しかし、企業がインターンシップを開くことが一般的になった当初から「インターンシップは本選考と同様」であったわけではありません。

本来のインターンシップは学生に1週間程度の就業体験を積ませて、入社後に発生するギャップを少しでも減らす事を目的としておりました。

しかしながら、現在の日本企業はどこも「人手不足」により、学生の「売り手市場化」が進んでいます。こうなると多くの企業が少しでも早く動き、優秀な学生と接触し、内定を出して採用人員を確定させるという動きになります。

現在の採用スケジュールは3月広報解禁、6月選考開始という「建前」になっています。残念ながらこのスケジュールはごく一部の超大手企業が遵守している程度で実質的には有名無実化しています。

従って多くの企業はこのルールを無視して選考、内定出しを行っています。こういった採用活動を取り巻く環境の変化が、インターンシップと本選考を実質的につなげてしまったのです。

結果としてワンデイインターンシップも許容され、この2年で一斉に浸透する様になってきました。就活自体が徐々に変わりつつあるのです。

従来の就活のスケジュールは広報解禁時と同時に説明会に参加し企業を探していきましたが、現在は広報解禁前にインターンシップが存在する事から、インターンシップの開始から6月の選考開始までにはかなりの期間を要します。

その長い期間に志望が変わってしまう事、他社へ逃げてしまう事を恐れ、志望度の高い学生を早めに囲い込む為に企業もインターンを採用活動と直結させています。就活の流れはまだまだ変わると想定され、一括採用というシステム自体が揺らぐ可能性も多いにあります。

またインターンシップは「サマー」「オータム」「ウインター」と時季を分けている企業も数多くありますが、期間を分ける企業に大きく2つの理由があります。

「1. 本来のインターンシップの実施」 通常、夏期のインターンシップにおいて、サマーインターンシップは2,3日から1週間まで比較的長期間の企画が多く存在します。これは本来のインターンシップの側面をもっており、学生が夏期休暇で長期の休みを取れるためにしっかり複数日で企業理解を促進し、志望業界、志望企業を固めていく為に行われるものです。逆にウインターインターンシップは短日で行われる場合も多く、確実に採用に繋がるスクリーニング的要素が強くなります。

「2.学生との接触期間を継続的にもつ」 企業はサマーインターンシップを終えて、広報開始の3月まで何もしない訳にはいきません。なぜなら、秋以降に他社のインターンシップに参加をされて、興味を持たれては困るからです。従って、企業はインターンシップを開始したら、基本的に3月までは継続的にインターシップを行い、学生との接点を持つ様にします。

我々人事担当者として少々疲れるのも事実なですが、現在の採用活動は通年で何らかの活動を行う必要があります。3月から説明会をしていたのでは、内定者を確保する事ができないからです。学生の志望度を維持する為に採用活動はほぼ通年業務となっています。

【en-courage限定公開】 先輩内定者のガクチカを見本にして書いてみよう!

カゴメ_ES NTTデータ_ ES トヨタ自動車_ES 三菱UFJ銀行_ ES パナソニック_ES ニトリ_ES

【会員限定公開】 大変な自己分析が15分でできるツールを公開! 就活の軸を明確にしよう! ▼資料のDLはこちらから

インターンシップに参加すると、本選考で優遇される?

結論から言って、インターンシップ参加が本採用で優遇され可能性は高いと思います。

優遇の度合についてはインターンシップでの評価が大きいかと思います。それも含め優遇されると想定される理由は以下の様なものです。

「1. 自社に欲しい学生なのか?」 当たり前の話ですが、インターンシップとは言え学生のスクリーニングの機能を持っています。その為に企業側は学生をしっかり見極めています。つまり、その評価が高い学生が志望した場合には確実に優遇されます。ちなみにこの段階での評価はインターンシップの日数や企画にも異なると思いますが、挨拶、お礼などを含めたマナーから、実業務への評価までがあります。

「2. 企業理解が進んでいるかどうか」 インターンシップに参加をしている学生については、少なくとも企業の事業理解が進んでいると判断をされます。そして、その中で企業、事業を理解した結果、本選考に進まない学生も数多くおります。逆にその上で本選考に進む学生は少なくとも当該受験企業に対しては志望度が高いと想定されます。従って企業理解が進んだ上で、選考に進んできた学生に対して企業の評価は上がると思われます。就活の第一ステップは企業理解ですので、インターンシップ参加の必要性は年々高くなっているのが実情でしょう。

「3. 企業へのアピール」 そもそも、インターンシップに参加をした学生が本採用にも進んでくれる事は企業の人事担当者としてはありがたい事と考えています。「この企業に魅力を感じて志望をしてくれたのだな、、、」となります。就活を通じて志望企業への入社意思を表現するのは必須です。

インターンシップで悪目立ちすると、本選考に響く?

インターンシップ中においての悪目立ちは本採用においても影響します。インターンシップとは言え、人事担当者は参加者をちゃんと見ています。企業は組織です。

そして各々の企業は独自の企業風土を持っており、その風土に合うか人材かどうかを常に考えています。

それこそが一番採用・就活の中で重要なものです。従って以下の様な行動は確実に本採用にも影響します。

「1.遅刻」 インターンシップだけでなく、本採用においてだけでなく、社会人において遅刻は厳禁です。我々人事は必ずその辺りの基本的事項は見ています。

遅刻、インターンシップ中に居眠り、などがあると参加をしている学生のやる気を疑いたくなります。「インターシップだから許されるだろう」、「インターンシップ中だからそこまで見ていないだろう」という認識は大きな間違いです。就活だけでなく、社会人になった時には時間は最重要ですので、お忘れなく。

「2.ワーク中などでの悪目立ち」 グループワークなどにおいて必要以上に自分をアピールしたり、チームを仕切ったりしようとする学生を良く見かけます。気持ちは分かります。

しかし、企業で求められるのはスタンドプレーができる人間を求めている訳ではありません。組織で仕事を進められる人間を求めているのです。

従って、他の参加学生と協調をしつつ、ワークを進めていける学生が結果的に人事担当者の心象が良いものとして残ります。就活の中で目立つ事は必要なのは事実ですが、必要以上なアピール、不自然な自己主張は結果として評価を落としかねません。

【日系大手や外資系などの内定者多数】 先輩内定者と早期就活を始めませんか? es添削、模擬面接、GDの練習などなど、選考ノウハウを持った内定者があなたの就活をサポートします。 ▼詳しくはこちら

インターンシップでやってはいけない4つのNG行動

前項と重複する部分もありますが、インターンシップ全体で注意したいNG行動は以下の4つになります。しかし、本採用においても気を付けるべき行動にもなります。

「1.最低限のマナーができていない」 これは難しい話ではありませんが、就活において全くできていない学生が多いのも事実です。会場に入室する際に「失礼します」「宜しくお願いします」と言っているか?、インターンシップが終了した時に「ありがとうございました」とお礼を言って退出しているか?

とても些細な事でありますが、この様に挨拶をしっかりできる学生の心象は総じて良いものです。しかし、インターンシップ終了時のお礼を言って退出する学生は半分もいないかも知れません、、、ちょっと悲しいです(笑)

人は初対面の相手を第一印象で判断をします。それは社会に出ても同様ですが、その第一印象は「気持ちの良い挨拶、お礼」を加えるだけで簡単に変えられます!

これも基本的な事ですが、インターンシップにおいて服装の条件も主旨に沿ったものにしてください。仮に服装がカジュアルOKと言われていても華美なものは避けるべきです。

おしゃれではなく、相手に違和感を感じさせない事を意識してください。インターンシップを含めた就活はスーツが基本でしょう。

「2.参加企業に対して全く研究していない」 インターンシップは企業を知る事が第一目的です。従って、参加学生が参加企業に対して知識が不足している事が「建前」としてはおかしい事ではありません。

しかし現在のインターンシップは本採用に繋がっています。企業の人事は学生を見ています。参加をしている学生がなぜ当該インターンシップに参加をしているか、どこまで企業を研究しているか、、、

正直、本選考でも同じ様な視点で学生を見極めているので、二度手間になるのは事実ですが、独自でも企業研究が進んでいる学生はすぐに分かります。

一方で「全く参加企業の事を調べていない」「友達も来ているので何となく参加した」という様なそもそもの志望度が見えない学生に対する心象は自ずと悪くなります。

「3.積極性が見られない」 これは本採用における企業説明会においても共通なのですが、インターンシップの会場で最前列に座り、積極的に課題に取り組み、質問をする様な学生を人事担当者は忘れません。

反対に開始時刻ギリギリに会場に入り、一番後ろに座って、終了と共に何も言わずに退出する学生は残念ながら全く覚えていません。採用活動に本質は「良い意味でのアピール合戦」です。

良い意味で自分という存在を人事担当者に印象付ける事は絶対に必要です。自分をアピールするのは面接というタイミングだけではありません。

座学のインターンシップにおいては積極的な質問、ワークであれば他の参加者との協調性を踏まえた積極的な課題参加は志望度の高さと関係なく不可欠だと思ってください。

「4.相談をしない」 インターンシップにおいては実際の業務の一部を担当してもらう場合もあります。就業体験に近いものです。そういった場合には原則として就活生のミスは参加企業に迷惑を掛ける可能性もあります。

この可能性がある事は企業側も当然理解をしておりますが、その場合にミスをしても報告、連絡しないという事は避けてください。社会人の大原則は「報告・連絡・相談」です。またミスをした場合のリカバーは逆に責任感があると評価され、結果的には志望企業側からの評価上昇にも繋がります。就活中においてもこの意識を忘れないでください。

4つほどNGをまとめましたが、基本的には元気、積極的に参加をしてもらえる事ができれば、問題はありません。ただ、繰り返しになりますが、インターンシップとはいえ人事担当者は常に皆さんを見て評価をしています。

頭の中は「この子は良さそうだね、、、」「この子は避けたいな、、、」という状態になっています。また個人的にお勧めをしているのは、インターンシップ参加終了後のお礼メールです。

インターンシップ参加の翌日に人事担当者に宛てに「インターンシップに参加をして学んだ事」、「今後の選考への意気込み」と「お礼」を添えてメールを送付してみてください。人事担当者は確実にその学生を覚えていきます。

冒頭でもお話をしていますが、現在はインターンシップも含めて就活です。言うなればどこのプロセスにおいても評価されている可能性があると思って対応をして頂ければと思います。

【en-courage限定公開】 先輩内定者のガクチカを見本にして書いてみよう!

カゴメ_ES NTTデータ_ ES トヨタ自動車_ES 三菱UFJ銀行_ ES パナソニック_ES ニトリ_ES