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不動産デベロッパーとは?仕事内容とゼネコンとの違いを徹底解説!

不動産デベロッパーは商業施設やオフィスビル開発の格となる魅力的な仕事です。しかし、「詳しく仕事内容がわからない」「ゼネコンとの違いは?」そんな就活生も多いはず。そこで今回、不動産デベロッパーの仕事内容を再開発事業を例に徹底解説します。

不動産デベロッパーとは?ゼネコンとの違いは?

不動産業界は「住宅を提供できる」「自分が開発に携わった建物が地図上に乗る」など、人の生活に必須である住宅やオフィスなどを建設することで、社会貢献を直に感じられるため、就活生に人気の業界です。

その中でも、不動産デベロッパー業界は、その開発規模の大きさから特に人気の業界であり、早慶、旧帝大など高学歴層からの志望者が絶えません。

では、不動産デベロッパーとは具体的にどんな仕事をしてるのでしょうか。

簡単に言うと不動産デベロッパーとは、宅地や商業施設、オフィスビルなどの開発事業を担う不動産開発業者です。

しかし、不動産デベロッパーの仕事は「マンションを建てる」「商業施設を建てる」といった建築物を建てる仕事ではありません。

これを担うのはゼネコンです。

不動産デベロッパーの仕事内容とは「建築物を立てる仕事」ではなく、「土地開発の中心となる仕事」なのです。

今回は、その不動産デベロッパーの「土地開発の中心となる仕事」を、不動産デベロッパーの花形である大規模開発事業についての例を踏まえつつご紹介します。

また、混同しやすい建設業を担うゼネコンとの違いも解説します。

この記事を読んで、建設を行うゼネコンと開発事業を行う不動産デベロッパーが異なることや開発事業における不動産デべロッパーの仕事内容を理解してくださいね。

不動産デベロッパーの仕事内容とは?

まずは、不動産デベロッパーの大まかな仕事内容とはについてお話します。

不動産デベロッパーは土地開発事業者であり、用地を取得し、その土地に最適な建物をプランニング・開発して、事業化していくことが主な仕事です。

例えば、「東京ミッドタウン」や「六本木ヒルズ」などの大規模な商業施設。

皆さんもよく休日に足を運ばれると思います。

この企画運営を行うのが不動産デベロッパーです。

土地開発を行い事業化していく不動産デベロッパー。

では、どのように建物を建設し運用していくのでしょうか。

ここで、マンションの開発事業を例にとり、不動産デベロッパーの仕事内容をご紹介します。

まずは、オフィスビルを建設する用地の取得を行います。

用地を取得する際には、「その地域にマンションや住宅の需要があるのか」「周辺のマンションの相場はいくらか」など、該当用地の情報を調べて分析します。

そして、それらの情報からその用地の価値を最大限に発揮できるプランを立案し、建設にかかるコスト等を考え、採算を計算した上で用地を購入します。

用地を取得したら、用地購入時に立てたプランにそって開発を行います。

この時の不動産デベロッパーの仕事は、設計会社や建設会社など開発に携わる多くの企業の間に立ってスケジュール管理や収支管理を行い、計画進行の指揮者となることです。

そして、開発が終わりマンションが出来上がったら今度は営業の仕事です。

マンションを建設しても、その住宅に住む人がいなければ意味がありません。

そのため、マンションの部屋を売却または賃貸します。

その際、「このマンションを買う事でどのようなメリットがあるか」「どのような顧客がこのマンションのコンセプトに合うか」などを考え、顧客に対して営業を行います。

このように、営業を行い売却または賃貸する事で、マンションが完成します。

また、その後のアフターフォローも不動産デベロッパーの仕事です。

建設を企画して終わりではなく、建設後の管理・運用まで不動産デベロッパーが行います。

このようにして、不動産デベロッパーはマンションの開発を行なっています。

オフィスビルや商業施設の開発でも、同様の業務フローで開発を行います。

不動産デベロッパー業界は、都市開発の中心になれることから人気の業界になっているのですね。

不動産デベロッパーとゼネコンの違いとは

不動産デベロッパーの仕事内容をお話したところで、混同しやすいゼネコンとの違いを具体的にお話します。

まずは簡単に不動産デベロッパーとゼネコンの概要をお話しします。

・不動産デベロッパー デベロッパーとは、英語で「developer」のことで、直訳すれば「開発者」を意味します。

その名の通り建設ではなく、土地の開発を主な仕事としています。

商業施設、オフィスビル、マンション、リゾート地などを開発します。

<主な企業> 三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急不動産、野村不動産、東京建物

・ゼネコン ゼネコンとは、英語で「General Contractor」の略で、直訳すると「総合請負業者」を意味します。

その名の通り、発注者からの工事を全て請け負い建設を行います。

つまり、建設業者です。

<主な企業> 大林組、大成建設、清水建設、鹿島建設、竹中工務店

次に両者の違いをわかりやすくするために、前述したマンション開発における両者の役割について見てみましょう。

まずマンションを建設するためには土地が必要ですよね。

その土地を仕入れる仕事は不動産デベロッパーが担います。

次に立てるマンションのコンセプトを考えなくてはなりません。

一室の値段はどのくらいにすれば良いのか、広さはどのくらいが良いのか、高齢者向けマンションにするのか、家族向けマンションにするのか、はたまた学生の一人暮らし向けにするのか。

これらのマンションのコンセプトを考えるのも不動産デベロッパーの仕事です。

その土地において、どのようなコンセプトのマンションが需要があるのかを探ります。

マンションのコンセプトが定ったら、そのマンションの設計をしなければなりません。

そこでゼネコンが登場します。

マンションの設計は不動産デベロッパーとゼネコンが共同で行います。

その後、マンションを建設するのはゼネコンの仕事です。

マンション建設における工事全体の取りまとめを行います。

ゼネコンと不動産デベロッパーにはこのような違いがあります。

しかし、どちらが欠けても開発はできません。

開発において上手い分業がなされているのですね。

不動産デベロッパーの大規模開発とは

ここまで不動産デベロッパーがある施設を建設する時に、どのような仕事をするかについて見てきました。

不動産デベロッパーが建物一棟を開発するための手順がわかったと思います。

ここからは、不動産デベロッパーの仕事のうち、花形である大規模開発についてご紹介します。

「不動産デベロッパーと言えば都市開発レベルの大規模開発!」と思う就活生は多いはず。

不動産デベロッパーは、ビルや商業施設を一棟建てるだけではなく、あるエリア全体の活性化を考えて商業施設やマンションなどを複数建設する大規模な開発事業も行います。

例えば、三菱地所による丸の内の再開発事業。

2000年の「丸ビル」の建て替えから始まり現在も進行中のプロジェクトです。

以前、丸の内はオフィスビルだけの街であり、休日は人があまりいない閑散とした街でした。

そこで、三菱地所は働きやすい街づくりを目指して再開発を始めました。

今では、商業施設やホテルなどが展開され、休日にも人が多く立ち寄る活気ある街へと変貌を遂げました。

丸の内中通りなどは、環境が考慮されて緑豊かな通りになっており、休日も多くの人が訪れています。

このように、不動産デベロッパーはあるエリア全体の活性化を狙い大規模な開発事業を行います。

また、大規模開発は商業施設とマンションなど数種類の建築物の開発も必要なことから、ある特定の建築物の開発を専門とする不動産デベロッパーでは行うことができません。

そのため、大規模開発を行う不動産デベロッパーは、マンションや商業施設、そして住宅建設など多くの建築物の開発に立ち会える必要があります。

このような不動産デベロッパーを総合デベロッパーと呼びます。

就活で人気の三菱地所、三井不動産などの業界最大手企業はこの総合デベロッパーです。

現在、東急不動産の渋谷再開発や三菱地所の丸の内再開発など、総合デベロッパーによる多くの大規模開発プロジェクトが進行しています。

近年、人口減少に伴い、都市と自然を融合させた居心地のいい街づくりなど、都市の魅了付けのために活発化している大規模開発。

次の段落では、大規模開発の一例としてデべロッパー企業「森ビル」の再開発事業についてご紹介します。

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デベロッパー企業「森ビル」の再開発事業

まず、森ビルをご存知ない方に、森ビルがどんな企業なのかを説明します。

森ビルはその名の通りビル事業に強みを持つ総合デベロッパーです。

「GINZA SIX」「六本木ヒルズ」など、魅力的な建築物を企画するため、就活生からの人気が絶えないデベロッパー企業でもあります。

そんな森ビルは虎ノ門や赤坂、六本木などのエリアで再開発事業を行なっています。

森ビルの再開発コンセプトは、経済的な視点に偏りがちな都市再開発に対する価値観を一新し、そこに住む人たちや働く人たちが住みやすい街づくりを実現するというものでした。

ここで、六本木エリア再開発の先駆けとなった、六本木ヒルズの建設を見ていきましょう。

前述の通り、不動産デベロッパーの仕事は用地の取得と企画の立案から始まります。

再開発事業ではこの段階が重要になります。

なぜなら、大規模な施設を建設するにあたり、まとまった土地が必要だからです。

また、最初の段階でその町をそのようなコンセプトで開発していくかを決める上でも、最初の企画は重要になります。

例えば、地域住民が住みやすい緑の多い街づくりと、観光客向けにアミューズメントや商業施設を多く展開する街づくりでは、建築物のコンセプトが大きく異なります。

森ビルは、「住みやすい街づくり」を実現するために、この最初の段階で地域住民との対話を重視して開発を行いました。

六本木ヒルズ建設では、挨拶文を持って地域の住宅に一軒一軒声をかけて回りました。

最初は地域住民はこの呼びかけに対し否定的な態度を取っていました。

しかし、たび重なる訪問や説明会など地域住民との接点を大事にして理解を得ることで、着工までこぎつけました。

例えば、再開発の良さを知ってもらうために、住民に対して「アークヒルズ」の見学会を行いました。

アークヒルズは森ビルが最初に成功させた再開発事例であり、住民に再開発の良さを納得させるには十分でした。

アークヒルズにある高層住宅や、綺麗に整備された道路や広場を見学した住民は徐々に再開発に良いイメージを持つようになりました。

呼びかけ、じっくりと話し合い、意見を集約し、賛同と合意を得ながらプランを練っていく。

このスタンスで地域住民との関係を重視し対話を繰り返した結果、アークヒルズも六本木ヒルズも建設に17年という多くの時間をかけました。

また、住民との対話を重視しただけではなく、都市の機能面でも「住みやすい街づくり」を実現しました。

例えば、緑化。

森ビルは理想の都市のモデルとして、緑に覆われた超高層都市「立体緑園都市」を掲げています。

六本木ヒルズと開発では、都市の高層化によって生まれた足元空間を用いて遊歩道や公園、緑地を作りました。

また、屋上も緑化することで、都市全体を庭園のような環境にしました。

このようにして、森ビルは経済的な視点に偏った都市開発ではなく、そこで活動する人たちが幸せに暮らせる街づくりを実現しました。

その後も、森ビルは再開発を進めており、現在虎ノ門エリアでの再開発事業が進行中です。

虎ノ門エリアでは虎ノ門ヒルズ周辺地域の再開発を行い、東京タワーに匹敵する高さのビルを筆頭に複数棟のビルを建設予定です。

また、森ビルだけではなく三菱地所の「丸の内中通り」や三井不動産の「東京ミッドタウン」など多くの都市が緑地と都市を一体化させるなどして、住みやすい街づくりを実現しようと試みています。

このように、不動産デベロッパーはただビルを建てるだけではなく、そこに住む人や働く人のことを考慮して都市を開発します。

住みやすい街づくりから人々の生活を豊かにしたいと思う就活生は不動産デベロッパーを志望してみてくださいね。

大手デベロッパー企業を比較してみよう

ここまで、不動産デベロッパーの仕事内容をみてきましたがいかがだったでしょうか。

不動産デベロッパーはただ住宅やオフィスを建設するだけでなく、その地域で活動する住民のライフスタイルなどを考慮した街づくりを行なっていることがわかったと思います。

これを機に、不動産デベロッパー業界に興味を持った就活生はもう少し詳しく調べてみてくださいね。

また、実際に不動産デベロッパー業界を志望する際には、各企業の強みを把握しなければなりません。

なぜなら、不動産デベロッパーは企業によって得意とする建築物やそのコンセプト、再開発を行なっているエリアなどが異なります。

そのため、どの企業の事業が将来自分のやりたいことに近いのかをきちんと精査する必要があります。

また、就職活動の面接において、「なぜ、競合他社ではなく御社を志望したのですか?」という質問は頻出です。

この質問に的確に答えるためにも業界・企業研究はきちんと行わなければなりません。

下記は不動産デベロッパー企業を比較した記事のリンクです。

不動産デベロッパー業界に興味を持たれた方は下記の記事も合わせて読んでみてくださいね。

就職で人気の不動産デベロッパー5社を徹底比較!各社の強みとは?

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